会計業界の業界動向・トピックス

会計業界トピックス

【トップ会計人が語る】今、会計事務所業界に求められているもの

会計業界トピックスの一覧へ戻る



ichinose-thumb-100xauto-14

東京・港区 一之瀬税務会計事務所
所長・税理士
一之瀬 卓氏

 

プロが感じている会計事務所業界の最新動向

 会計事務所に求められる業務が大きく変わり始めています。今まで会計事務所と言えば、日々の記帳や税務申告書の作成といったいわゆる「代行業務」がメインでした。しかし、最近は会計・税務・法律に関する複合的な相談、業務改善に関する相談、経営戦略の立案といったような、「アドバイザリー」や「コンサルティング」と言われるような業務を手掛ける事務所が増えています。つまり、「単なる代行屋的な事務所」と「顧客の様々なニーズに応えるパートナー的な事務所」と二極化しているということが言えると思います。そして、今後、成長をしていく会計事務所は当然のことながら後者になっていくでしょう。

本当の顧客志向とは

 クライアント企業様の「良きビジネスパートナー」となれるかどうかを大きく左右するのが、各々の会計事務所が持つ「顧客に対する考え方」になることは言うまでもありません。それは、質の高い税務・会計サービスをすばやく提供することは当然のこととして、さらに確実なアフターフォロー、そしてプラスアルファの提案などを通じて積極的な経営支援を展開するところにあります。たとえば自分達の専門分野外であるIT関連について悩んでいるお客様がいたとした場合、それについても自分達の持つネットワークで可能な限り対応しようとします。場合によっては自分たちの別のお客様であるITベンチャー企業に協力してもらうことで、お客様に満足して頂けるような情報を親身になって提供する。正直、やっていることは「お客様ニーズに応える」というシンプルかつ基本的なことです。しかし、それを徹底することでお客様から大きな信頼を得ることに成功しています。この「お客様ニーズに応える」ということは、専門的な知識だけを単純に提供することや、難しいコンサルティングを淡々と行なうことではなく、本当にお客様が求めている隠れた要望までをも汲み取り、それに対して的確なサービスや情報を最大限提供することだと考えています。
それには、自分達が蓄積している高度で膨大な量の専門知識・技術といった「内部の強み」、そして協力関係にある各種専門家や企業とのネットワークの「外部の強み」を、どのように組み合わせ活用することでお客様にとって最大のメリット・喜びを得てもらえるのか、日々そのソリューションを追い求めていき、お客様の立場に立った提案を積極的に行っていく、そういった土壌がなければできません。
 簡単そうに思えますが、意外とこれが難しく、自己満足的なサービス提供に終わってしまうことを課題のひとつとして抱えている事務所は少なくないような気がします。

顧客第一主義を貫くことによって得られたもの

 上記のモットーを貫くことで得られるものは、素晴らしい新規クライアント企業様です。特に若手の起業家の方々が多いのが特徴的かも知れません。若手起業家の方々は、コアになるビジネスに時間を割いており、経営上の税務・会計・法律といった分野について勉強する時間を確保することが困難であるケースが多いのですが、そういった方々の本音を探り、経営者の視点でご要望に応え続けることで、お客様からお客様をご紹介頂くといった好循環を得ることが出来ました。
 上記で本当に大切なのは「経営者の視点に立つ」ということです。経営者と同じ目線で会社を考え、会社の展望や夢を共有することができて初めて顧客ニーズを汲み取ることが出来るのであり、それによりお客様に真に喜んでもらえる経営戦略や事業計画策定の提案などもできるのです。
 その結果、最近では、単なる顧問契約ではなく、経営上のより強固なパートナーシップを求められることが多くなってきています。それは、別途コンサルティング契約や、取締役の就任依頼あるいは出資の依頼など経営への参画であり、そうした背景にはお客様のニーズにマッチした経営支援サービスを確実に提供できてきていることへの評価があるのだと喜んでおります。

 税理士=先生業という時代は終わりを告げようとしています。これからは税理士=サービス業であるということをしっかりと認識しなければなりません。サービスがマズくては、クライアント様もすぐに離れていってしまいます。その為には、高度で専門的なノウハウだけでなく先進的なビジネスセンスを常に向上させる努力が必要です。税法・商法・民法等に精通し、お客様のニーズに適宜対応出来るオールラウンドプレイヤー、それがこれから求められる税理士像なのだと思います。単なる知識の提供ではなく、本物のソリューションを提供出来るプロフェッショナルであり続けたいものです。

カイケイ・ファンをご覧の皆様へ一言

 型にはまらない斬新な会計事務所を目指して日々邁進しています。積極的に研修を重ね、一流のプロとしての誇りを常に持って仕事を遂行していくことはもちろんですが、仲間やパートナーとの大切な時間、趣味・遊びなどプライベートな面をしっかり充実できるような環境があってこそ、そういった仕事が出来るものと考えています。事務所も本格的な拡大をする段階に来ていますが、初心を忘れることなく最高の事務所作りを行っていきたいと、本気で考えています。

一之瀬税務会計事務所

トップ会計人が語る記事一覧へ戻る

会計業界トピックス一覧へ戻る


年収査定

ページの先頭へ

業界動向
転職・求人情報
個別転職相談会・セミナー
カイケイ・ファンについて

プライバシーマーク