会計業界の業界動向・トピックス

会計業界トピックス

【トップ会計人が語る】これからの時代に必要な価値観。

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東京・新宿区 BDO税理士法人
統括代表社員
長峰 伸之氏

中央大学在学中、大学3年次に公認会計士2次試験合格。横浜市立大学大学院に進学し、経営管理修士(MBA)を取得。その後、渡米し、現地のピートマーウィック(現KPMG)に就職。ニューヨーク事務所からシカゴ事務所へ移り、日本関連事業部・中西部代表パートナーとして、米国中西部にある約200社の日本企業に対するサービスを統括し、同地区での事業拡大を指揮。2001年に帰国し、三優税理士法人(現BDO税理士法人)の設立に参画。現在に至る。

資格取得から現在に至るまで

nagamine1-thumb-150xauto-25 中央大学在学中の3年次、当時は合格者が300人と言う難関であった公認会計士2次試験に運良く合格することが出来ました。大学卒業と同時に監査法人で働くという選択肢もあったのですが、ゼミの教授からの勧めもあり、横浜市立大学の修士課程へ進学することにしました。今思えば、ここが人生の転機になったことは間違いないと思います。大学ではいわゆる簿記・会計のことばかりを勉強してきましたが、大学院では経営を多角的に学ぶことが出来ました。この時、「主軸を持ちながら、違う軸も持つ」ということの重要性を学ぶことになったのです。

 大学院を修了する頃には、自分の進路について色々と試行錯誤致しましたが、会計士試験に合格した同期の仲間達は既に監査法人で働いおり、その同期達と同じ事をしたのでは面白くないな、と考え「二つの目標」を持って海外に出る事を決意しました。一つ目は「USCPAを取得する」こと、二つ目は「現地の監査法人でマネージャーになる」ことでした。大学院の教授のお力もあり、ニューヨークのピートマーウィックで働かせて頂けることになりましたが、英語もろくに話せない私が、酷い苦労をしたことは言うまでもありません。今のように携帯電話やパソコンが普及してない時代に、見ず知らずの土地へ飛び込み、年下の現地の会計士に使い走りにされ、覚えたての英語で上司や同僚とケンカをしたり、それはもう大変でした。ただ、大学在学中に公認会計士試験に合格し、当時はまだ進学する人も少なかった大学院に進学したことで、少し有頂天になっていた私には、そういった出来事もちょうど良い洗礼だったのかも知れません。
米国のビジネスの世界は「Up or Leave」であり、日々成長し続けないと居場所が無くなるという環境の中、大変ながらも充実した日々を過ごしました。1990年前後になると日系企業の米国進出が非常に活発になってきておりましたので、私は日本企業の米国進出の様々なお手伝いをしました。こうした日本企業の支援を通じて、顧客の経営をサポートすることにやりがいを感じるようになっていきました。

 2001年のエンロン事件を期に監査法人のあり方が変わり始めた頃、自分の仕事のあり方についても見直さなくては、と考えるようになり、数千人が働くような大きなファームではなく、目の届く規模の組織で働きたいと思うようになりました。そんな折、三優監査法人の統轄代表社員である杉田純氏からの誘いを受け、三優BDOで働くことになりました。帰国後、三優税理士法人の立ち上げメンバーとして関与し始め、現在に至ります。

BDO税理士法人の特徴や昨今の業界トレンドについて

nagamine2-thumb-150xauto-26 BDO税理士法人はBDO Internationalの日本におけるメンバーファームです。日系企業の税務会計サービスも行っていますが、やはり大きな特徴は、国際的な業務が豊富であるという点です。長期留学から帰国した女性も多く、中国人・ベトナム人など外国籍のメンバーも複数働いているなど、所員には国際的な強みを持った専門家が多く、性別や国籍には関係なく専門性を発揮してもらっています。

 今後もBDOのネットワークと所内の専門性を活かし、日系企業の海外進出支援はもちろん、外資系企業の日本進出の支援や移転価格、IFRS対応などクロスボーダーな領域に強みを発揮していきたいと考えています。

 最近は、様々な媒体でIFRSの話題が国際化に関するトップトピックスのように報じられていますが、会計・税務の世界以外でも国や地域といった境がなくなりつつある世の中において、それは自然な流れであると言えるのではないでしょうか。会計基準の世界統一化の流れは、避けられないということなのだと思います。

 私から言わせて頂ければ、今、最も注目しているのはアジアのマーケットです。特に中国は潤沢なマネーが溢れており、あらゆるものに積極的に投資をしています。当然、会計・税務領域においても中国の存在感は大きなものとなっており、BDO Internationalにおいても、アジアパシフィックのリージョンの代表が集まる会議が中国語で進められるなど、中国語が使われる機会が増えてきています。

グローバル化した会計税務業界で活躍する為に必要なこと

nagamine3-thumb-150xauto-27 基礎なくして「会計・税務」の専門性はありませんので、まずは様々な事例を経験し、しっかりとした「会計・税務」の専門性を身につける必要があります。そして「会計・税務」という軸を持つことが出来たら、次は「会計・税務」以外のもう一つの軸を持つことが重要になってきます。「会計・税務」がX軸だとするならば、もう一つの「Y軸」を持つことで幅を広げていく必要があるということです。

 例えば、グルーバルというキーワードでお話をさせて頂くと、英語や中国語などの語学力は必須であり、今まで以上に高いレベルの語学力を要求される局面が多くなると考えています。中途半端なものでは軸とは言えませんし、プロの世界では到底役に立ちません。「会計・税務」の専門性というX軸に加えて、世界共通レベルで価値を認識してもらえる「Y軸」が必要なのです。

 とはいえ、Y軸は語学力とは限りません。自分のキャリア・人生を長い目でみて、その時代にあったY軸を見つけて磨いていくのが良いと思います。目の前の事ばかりにとらわれず、会計人としての専門性を磨きながら、会計だけではない違った分野に視野を広げて行って欲しいですね。

カイケイ・ファンをご覧の皆様へ一言

 私は幸い、若くして一度、米国ビジネスの世界で中途半端なプライドを捨てさせられました。そして、その代わりに非常に力強い「Y軸」を手にすることが出来ました。それがたまたま英語や国際感覚だったという話です。私の同期達を見回しても、試験合格後にすぐ監査法人に入った人達も、現在それぞれの専門性を持ち、それぞれの人生を送っています。 しかし、世の中は決して平等ではありません。そんな世の中だからこそ、人と同じでなく、人より一歩先に行かなければなりません。そして、視野を広く持って、会計以外に自分のもう一つの軸となる「Y軸」を見つけて、広がりをもった職業人生を送って頂きたいと思います。 若いうちであれば、2~3年の遅れや失敗なんていくらだって取り返せるので、まずは恐れずにチャレンジしてみることです。 皆様の果敢なチャレンジを期待しています。
(2010年9月17日掲載)

BDO税理士法人

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