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【トップ会計人が語る】変わり続ける会計業界で生き残る為には。

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東京・千代田区 朝日税理士法人
代表社員  公認会計士  税理士
蜂屋 浩一氏

大学卒業後、公認会計士試験に合格し大手監査法人へ入所。外資系企業の監査をメインに活躍した後、株式上場支援の部門に異動、数々の上場案件に携わる。平成14年に朝日税理士法人立ち上げに参画。現在は朝日税理士法人の運営と並行し、朝日ビジネスソリューション株式会社にて代表取締役を務める。税務・会計、組織再編、株式上場支援、事業承継、その他経営管理に関するコンサルティングなど幅広いジャンルで活躍中。

朝日税理士法人設立に至るまで

hachiya1-thumb-150xauto-29 私が監査法人に在籍していた頃、最初は外資系企業の会計監査業務が中心でした。様々な規模の企業を対象に監査業務を行えたのは私にとって良い基盤となっています。その後、ある株式上場支援業務に関わるようになり、私の進路にも転機が訪れました。当時、株式上場支援業務の仕事は新鮮であり非常に刺激的でしたので、寝る時間も無く、休みも取れない状況にもなりましたが、それが苦にならないくらい夢中になれるものでした。そして、クライアントと距離が近くなればなる程、税務に関する質問を受けるようになっていったのです。公認会計士である私にとって税務は専門ではなかったため、必死で勉強したのを覚えています。ちょうどその頃、米国のエンロン事件がきっかけで、監査の独立性という視点からクライアントへの関わり方に監査法人内でも厳格な規制が敷かれることとなりました。それは監査と税務、そしてアドバイザリー業務という異なる分野でのサービスが、本格的に分離独立していく会計業界の動きでもありました。その後、平成14年の税理士法改正に伴って、税理士法人が設立できるようになり、そうした流れの中で監査法人を退職し同年の5月に朝日税理士法人を設立しました。

 当初、東京事務所は2名の公認会計士で立ち上げた会計事務所でしたから、お客様もいなければ当然のことながら実績もありませんでした。そんな中で私共に頼って下さるお客様は貴重な存在であり、お客様に喜んで頂く為に日々最大限の努力をしていました。その後、一社ずつお客様を増やして行き、現在では株式上場している大手企業から上場準備企業、中堅企業から中小企業、加えて個人の方々まで幅広いサービスをニーズに応じて提供できるようになりました。そういった意味では、当法人の特徴は顧客ニーズに応え得る守備範囲の広さでしょう。また、朝日税理士法人は全国10ヶ所に展開しており、全国規模での情報網を有しているため、事例数の豊富さや情報量の多さも特徴の一つです。そして、当法人は設立してまだ10年にも満たない法人なので、規模の割に柔軟性が高い点も特徴かと思います。

現在~近い将来の会計業界について

2hachiya-thumb-150xauto-32 時代や社会が変化し続けている以上、会計業界も変化して行かざるを得ないと考えています。これまでの会計事務所とクライアントの関係のあり方も変わりつつあります。社長の世代交代でもなければ顧問の事務所を変えることなどなかった時代が終わろうとしており、逆にお客様がより良いサービスを求めて会計事務所を選択する時代になってきました。特に会社経営者は数字にシビアですから、顧問料などの価格には敏感になってきています。しかし、単に価格競争へ走ってしまえば、会計事務所としては自身の首を絞めてしまうことになります。そのため、よりお客様に満足して頂けるサービスをスピーディーに提供し、ビジネス的にも適切な対価を頂けるよう、会計事務所が努力していく時代になっていくと考えます。

 当法人としても、専門知識を持った各メンバーが専門性を磨き、少しでも多くのお客様から「ありがとう」という言葉を頂けるように、サービスレベルの向上を目指し続けていく方針です。その為には、現場レベルでどのように行動すればお客様が喜んで下さるかを意識しながら仕事をする必要がありますね。

生き残る法人と淘汰される法人の違いとは?

3hachiya-thumb-150xauto-33 今までの会計業界は、先生業と言われていたように待ちの姿勢で仕事をしていたように思いますが、今後デスクワーク中心の消極的な姿勢では、時代の変化を乗り越えて行くことは困難でしょう。

 今までの会計事務所の姿勢を営業スタイルで例えれば、商品を作ったから買って下さいという『プロダクトアウト』の営業が多かったように思います。しかし、今後のビジネスの世界では、敏感に顧客のニーズを感じ取り、スピーディーに対応するということが大事になって来るでしょう。いかにマーケットと向き合って行くかという『マーケットイン』の営業スタイルが求められるのだと思います。お客様が求めていることを汲み取り、喜んで頂けるサービスを提供し続けることが生き残りの上で不可欠です。その為には、会計事務所も専門性を高めていく必要がありますし、常に高い顧客満足度を求めて仕事をしていく姿勢が大切になってくるでしょう。同じ業務を行うにしても、顧客満足度で合格点ギリギリの60点を狙うのか、常に100点満点を狙い続けるのかで、きっとお客様からの評価は変わって来ると思いますので、後者のスタイルの法人が生き残っていける法人なのではないかと思います。

カイケイ・ファンをご覧の皆様へ一言

 資格や知識・経験といった専門性なくして、お客様に良いサービスは提供できませんので、会計業界で活躍する為には、何よりもまず専門性が必要です。そして、その専門性を顧客の喜びに変えることが出来るかどうかが大事であり、その顧客の喜びを自分の喜びとして感じられるかが会計業界で活躍する為のポイントになるのではないでしょうか。
 専門知識は貯め込むだけのものではなく、しっかりアウトプットしてこそ意味があります。自分自身の専門性を高め、どのようにしたら顧客満足度を上げることが出来るかを考えられる方は成功すると思います。また、「顧客満足度を上げる=作業量を増やす、価格を下げる事」だと最初に発想する方もいるようですが、あくまで会計事務所もビジネスですので、ビジネス的感覚を忘れてはいけない、ということもお伝えしたいと思います。
 また、時代の変化と共に会計人に求められることも変わってゆくと考えられます。そのため、今まで以上に外部との関わりを大切にすることも意識すると良いと思います。職場の仲間だけではなく、学生時代の友人や異業種の方などともコミュニケーションを取り、自分自身の視野を広く持って頂きたいと思います。そして、いつまでも勉強し続ける姿勢を大事にしながら、マーケットやお客様の変化に合わせて成長し続けて頂ければと思います。
(2010年10月29日掲載)

朝日税理士法人

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