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【トップ会計人が語る】社員自ら成長する組織への挑戦

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アマヤ・パートナーズ税理士法人
代表社員 税理士 天谷 徹 氏

1971年東京都出身。青山学院大学理工学部経営工科学科卒。2001年税理士試験合格。翌年税理士登録。大手会計事務所の勤務を経て、2005年父親が経営する会計事務所に入所。同年12月、アマヤ・パートナーズ税理士法人設立。2012年、事務所を三田に移転。

 

熾烈な競争が繰り広げられる一方で、税理士試験の受験者は減少、人材難が伝えられる会計業界。応募効果に直結する「魅力的な職場、人を活かす制度」は、今や会計事務所の業績を大きく左右する戦略レベルのテーマになりました。
「人が集まらない」と悩める声が多数寄せられる中、所員が活き活きと働くための職場づくりに挑戦し、現在も成長を続ける「アマヤ・パートナーズ税理士法人」代表の天谷徹先生にお話を伺いました。

アマヤ・パートナーズでは人材の採用に力を入れているそうですが、実際、どんな状況でしょうか?

おかげさまで昨年、今年とも優秀な新卒を3名ずつ採用することが出来ました。勝因はいくつかありますが、「採用」を経営の最重要テーマとして捉え、私自身の意識を変えたことが一番大きな要因ですね。事務所の規模から考えると、かなり大きな額を採用活動に投資しています。
思い切って求人媒体での露出を増やす、事務所の魅力を再検証し伝え方や見せ方にこだわる、自社WEBサイトの採用コンテンツを強化する等、ひとつ一つ丁寧に取り組んだことが功を奏した、と分析しています。

実際に、厳しいといわれる採用環境の中にありながら、当事務所への応募件数は増加しており、以前より意識やモチベーションが高い方の応募が目立ちます。やはり包み隠さず、事務所のありのままの姿を伝える、これが求職者の方の信頼と応募意欲を獲得する最短距離だ、と思うに至りました。

具体的にどんな工夫をされたのでしょうか?

例えばWEBサイトの採用コンテンツでは「どんな人がどんな気持ちで働いているのか?ありのままの姿を知りたい」という応募者側の声が多かったことから、アマヤの方針や、業務に精通している若手やベテラン所員のインタビュー記事を掲載しました。「リアルな業務内容や仕事への思いが、ストレートに伝わってくる」と、とても反響が大きかったですね。

また「事務所の雰囲気を知りたい」、というニーズに応えて「バーチャル事務所ツアー」というコンテンツを開設しました。一言でいうと「アマヤ写真集」。事務所内の設備や、働くスタッフの写真を公開しています。ぜひアマヤを擬似体験して欲しいですね。ちなみに、求職者の方からは「入社前に事務所の雰囲気をイメージすることができた」と好評です。

就活といえば、まずは大手企業を中心にエントリーを考える方が多いと思います。その風潮のなかで、あえて会計事務所へ飛び込むメリットについてどう思われますか?

一番のメリット、かつ他の仕事と大きく異なる点。それは、「経営者のパートナー足りえるためのキャリア、経験」を身に付けられることでしょう。

もちろん、どの会計事務所でも入所当初は基本的な会計業務を徹底的に学びますが、アマヤで用意している次のステップは「月次報告」という業務。経営者の方に最新の業績を報告し、課題や改善点をご説明する仕事です。経営における「正解」は一つではありませんから、最善の選択肢をいくつも提示し、経営の舵取りのサポートをすることが大切です。

同時に私たちがとても重要だと考えていること。それは経営者の真のパートナーとして、じっくり悩みを聞くことです。
経営者は例外なく、日々大きなプレッシャーを背負い、孤軍奮闘しています。売上はもちろん、採用や人事・労務管理の問題、財務や資金繰り、銀行との交渉など、心休まるときがありません。ところが誰かに相談したくてもできない。
もちろん最初から若手の担当者に弱音を吐く、ということはないかもしれません。しかし真摯に顧客企業のことを考え、事業構造や業界特有の課題、ライバルの動向など興味を持って調べたり、聞いたりする。経営者に事業ビジョンや想いを話してもらう。この積み重ねで経営者は心を開き、パートナーとして頼ってくれるようになります。

経営者から「これからもずっとあなたにサポートしてほしい」と言われる存在になる。これほど心が満たされる仕事はあまり例がないと思います。おそらく大企業では一生経験できないのではないでしょうか。

「社員自らが成長する組織」に挑戦されているとか?

会計事務所に勤めるメリットを享受するなら、自ら学び、さっさと成長した方がより仕事が楽しくなります。とはいえ、具体的にどうすればいいのか?キャリアの浅い新入社員にそこまで求めるのは酷でしょう。したがってアマヤでは、社員自らが学び成長できるような様々な制度やしくみを設けています。

一例でいえば、月1回、所員が自分の決めたテーマに沿って、当番制で講師を務める勉強会を開催しています。人前で発表するといういのは誰でもストレスが生じますが、知識をアウトプットする場を通じて、驚くほどの成長や気づきがあります。深い知識も身に付きます。
他にも今年から「グループプロジェクト」という新たな取り組みを始めました。これは所員数名でチームを組み、特定のテーマについて改善内容の提案を行うものです。現在は「ホームページ集客プロジェクト」「環境整備プロジェクト」「セミナー集客プロジェクト」「見える化プロジェクト」の4チームに分かれて毎月1回プレゼンをしています。

ただ指示に従って黙って働くのではなく、自らアイディアや考えを発信し、互いに認め合う。そして良いものは事務所の環境や業務に反映する。だからやりがいも生まれ、さらに仕事が楽しくなる。
通常の業務もあるので、負担がまったくない、といえば嘘になります。当初は「面倒だな」「また余計なことを・・・」と思うのが普通でしょう。でもある所員が言っていました、「ちょっと面倒でも一回やってみると結構楽しい。しかも仕事に張りが出る」と。
どうせ働くのなら、ワクワクしながら仕事を楽しみたい。面白く仕事をやりたいですよね。いつもよりほんの少し背伸びして取り組んで見る。するとまた違った世界が見えてきます。こういう場やしくみを持っている組織は絶対に強くなる、そう信じています。

5年後のビジョンはいかがでしょう。

会計業界は熾烈な競争の火ぶたが切って落とされ、まさに戦国時代の様相を呈しています。裏を返せば、大きく事務所を伸ばすチャンスがあるということです。

私自身、いたずらに規模を拡大する考えはありませんが、「お客様が抱える全ての悩みをワンストップで解決して差し上げたい」という夢があります。起業に始まり、経理、税務、決算はもちろんのこと、銀行対策や税務調査対策、相続・事業承継、M&A、人事・労務管理など、私たちが解決できるテーマはとても広いのです。

「あらゆる経営課題からお客様を守る」という夢を叶えるためには、どうしても一定の規模が必要になります。具体的には最低50名規模の会計事務所。これを5年後に達成したいと思っています。
すでに新規のお客様を増やすため、複数の施策を検証し、具体的なアクションプランに落としました。すぐに結果は出ないと思いますが、必ず夢を叶える、そう決心しています。
ただし、その上でも絶対に必要になるのは、自ら学ぶ所員と常に活性化した組織。これがなければ絵に描いた餅になります。そんな危機感は常にもっていますね。

とはいえ新入社員が入ると、それ自体で組織が活性化します。これまでキャリアが浅く、なんでも教わっていた1年前の新入社員が、今度は教える側に回るからです。同じく新たなお客様が増えるとやはり組織は活性化します。新たなお客様を増やし、そしてそのお客様を支える新しい社員が増える。このハッピー連鎖に一人で多くの方に加わって欲しい、そう願っています。

カイケイ・ファンをご覧の皆様へ一言

アマヤ・パートナーズでは、キャリアや志向に合わせ様々なステージを用意してお待ちしています。
キャリアの浅い方には、会計人として一日も早く独り立ちができるような業務、経験を積めば、難易度の高い、よりハイレベルな知識や技術が必要な案件を用意しています。共通しているのは、あなたの目の前で孤軍奮闘する経営者の方をとことんサポートする、という思いだけ。望むだけの経験や知識を手に入れることができます。

決まったことをいわれたとおりにやる。これ自体だって難しいこととだけど、私が夢見るのは「こんな風にやってみたい!」「よしやって見ようよ」、こんな風に全員がワクワクしながら仕事に熱中している組織。顧客企業を守るために、いつも120%で走る、そんな人を仲間に加え、共に成長していきたい、と思っています。他の仕事では身につかないキャリア、そして自信が、一生の財産になるはずです。

最後に一言。「あなたの力でお客様を元氣にしよう!」
(2014年8月5日掲載)

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