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BIG4税理士法人の実態「年収水準は高いのか?」

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BIG4税理士法人の実態「年収水準は高いのか?」

会計事務所業界の最大手と言えば、やはりBIG4税理士法人でしょう。
会計業界の方の中には「税理士を目指す上で一回は勤めてみたい」という方も多く、その人気は昔から衰えることがありません。しかし、そのBIG4税理士法人の内情について正確に理解をしている方は少ないようです。一体BIG4税理士法人とはどのような所なのでしょうか?
今回の会計トピックスでは、気になるBIG4税理士法人の実態「年収水準」についてお伝えしたいと思います。

BIG4税理士法人の年収水準

まず、BIG4税理士法人の年収水準を把握するために、株式会社MS-Japanは20代~50代のBIG4税理士法人出身者(パートナーを除く)の平均年収を調査しました。その結果は以下の通りです。

BIG4税理士法人の世代別平均年収(平成27年8月現在)
BIG4税理士法人の世代別平均年収

今回の調査対象者の中で最も多かった年齢層は30代の方で151名、調査母集団の約69%に当たる方が30代の税理士(または科目合格者)でした。次いで多かった年齢層は40代であり全体の32%、20代の若手層と50代のベテラン層の対象者は本調査ではいずれも全体の15%以下となっています。また、年齢層別の年収水準を算出したところ、BIG4税理士法人に勤務をする税理士(科目合格者含む)で20代の方は平均年収が670万円、30代は748万円、40代は1022万円、50代は1108万円という結果となりました。なお、各法人(アーンストアンドヤング税理士法人、税理士法人トーマツ、KPMG税理士法人、PwC税理士法人)の世代ごとの平均年収に大きな差はありませんでした。

いずれのBIG4税理士法人においても、20代の平均年収は650万円を超えており、一般的な会計事務所で20代の職員が得られる年収水準よりも高額であることが分かりました。

一方、30代の平均年収は748万円と想定よりも低く感じますが、個々のデータを見ると実際は調査対象者の中で1000万円以上の年収を得ている方の人数も多く(ほぼ管理職以上の方)、管理職に昇格をしているか否かで年収水準が大きく変わるということが読み取れます。 実は調査対象者の中で最も年収水準の振れ幅が大きかったのが30代であり、マネジャー昇格への競争が激化する30代は、結果として年収格差が生じやすい世代になっているようです。
40代以上になると既にマネジャー以上の職位に就いている方が多く、平均年収も1000万円を超えるようになります。本調査ではパートナークラスの方は対象外としておりますが、パートナークラスに就任されている方は平均でも3000万円以上、高額所得者になると7000万円以上の報酬を得ている方もいました。

BIG4税理士法人出身者のキャリアと主な転職先

BIG4税理士法人出身者のキャリアは大きく4つのパターンに分かれます。
一つ目は日系企業向けの税務支援、二つ目は外資系企業向けの税務支援、三つ目は金融機関向けの税務支援、四つ目は特殊分野(移転価格、個人所得税、間接税、資産税関連等)に特化した税務支援です。また、BIG4税理士法人の顧客層は上場企業や外資系企業が中心になりますので、国境を跨ぐ取引に関する税務アドバイス等も多く行っています。また業務マニュアルが英語で作成をされており、日々英語に触れる機会は少なくありませんので、高度な税務申告書作成と税務アドバイス×語学力が身に付いている税理士(科目合格者も含む)が多いという点もBIG4税理士法人出身者のキャリアの特徴であると言えます。

BIG4税理士法人出身者の主な転職先としては、準大手税理士法人、中堅税理士法人、独立系ブティック型事務所、個人会計事務所などの会計ファームが主流でしたが、最近では大手上場企業や大手金融機関、総合商社などを中心に経理・財務・経営企画などの間接部門が採用を強化していることもあり、一般事業会社も新たな転職先候補として注目を集めているようです。
また、近年IPO市場にも活気が戻ってきていますので、新規株式上場を狙うベンチャー企業でも経理担当者や将来のCFO候補としてBIG4税理士法人出身者が採用をされるケースが増えているようです。

BIG4税理士法人の採用基準

BIG4税理士法人の採用基準は基本的に20代であれば税理士試験3科目以上、30代であれば税理士資格は必須となります。また、基本的にBIG4税理士法人に入社する為には基礎的な英語力が必要とされますので、TOEICの受験も入社前にしておくべきでしょう。
尚、最近のBIG4税理士法人の採用トレンドですが、採用基準の緩和傾向が若干見受けられます

例えば、上場企業や外資系企業の対応経験があれば、語学力に自信がなくても内定を獲得できるケースが出ています。また、本格的な税務サービスの経験がなくてもビジネスレベルの英語力があれば内定を獲得できるといったケースが複数件確認できています。

現在、BIG4税理士法人では税務申告サービスの他、M&Aや海外進出支援、移転価格、組織再編等の付加価値案件などが増えているため、既存メンバーに加えて新規採用にも力を入れている状況です。そのため、今後も採用基準の緩和が続くことが予想されます。これから受験される方にはチャンス到来、かも知れません。

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(文/シニアコンサルタント)

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