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【コラム】多くの都道府県が減税を実施。企業の地方移転は得なのか?

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【コラム】多くの都道府県が減税を実施。企業の地方移転は得なのか?

政府が、首都圏に本社を置く企業に地方への移転を勧めています。
2015年に新設された「地方拠点強化税制」は、それを示す大きな動きの一つといえるでしょう。この税制は、東京23区から支援対象地域に本社機能を移転した場合、また、既に地方に本社機能がある企業がその本社機能を強化した場合に適用される優遇税制です。

多くの地方自治体も企業誘致を勧めるためにそれぞれ税制措置を行っています。
各地方自治体が行っている税制措置とは、おもにどのような内容なのでしょうか? また、こうした制度を利用して地方に移転することは、首都圏の企業にとってどんなメリットがあるのでしょうか?

減税を行っている地方自治体とは?

2013年に一般財団法人日本立地センターが行った「企業誘致活動に関するアンケート」の調査結果では、1029の市町村及び東京特別区の中の810件が「企業誘致活動に取り組んでいる」と答え、さらに61件が「これから取り組む予定」と答えました。

2016年1月4 日付の日本経済新聞によると、法人事業税を長野県では3年間 95%、富山県と石川県は90%減額するという優遇策を打ち出したそうです。さらに群馬県と香川県では初年度に50%、2年目に25%、3年目に12.5%という具合に年に応じた税率で法人事業税の減額を行っています。
本社機能を検討する場合には、オフィスの移転にかかるコストも障害の一つだといえるでしょう。こうした負担を少しでも軽減するために、長野県、富山県では土地や家屋などを購入した際に課せられる不動産取得税の減額や固定資産税の減額を行っています。また、福島県は固定資産税の減額や家賃補助などを検討しているようです。

上記で紹介した地方自治体は、東京23区から移転した企業を対象としています。しかし兵庫県では首都圏と中部圏、近畿圏という三大都市圏の企業、福岡県では県外全域の企業も法人事業税の減額の対象としています。

首都圏の企業は地方に移転するべきか?

このように、多くの地方自治体が本社機能移転を積極的に受け入れるための取り組みを行っています。しかし、本社機能の地方への移転には不安も残ります。

2015年6月に一般社団法人日本経済団体連合会が企業に対して行った「本社機能の地方移転に関する緊急アンケート」の調査結果によると、147社中「現在、地方への移転を検討している」と回答した企業はわずか2社、「将来的には移転可能性・余地はある」と回答した企業も9社で、残りの136社が「本社の一部機能の地方移転は検討していない」と回答しました。
移転を考えていない企業の多くは、その理由として「現時点の拠点で機能・利便性に支障がない」「取引先・官庁など関係者が東京に集中している」「移転にはイニシャルコストがかかる」などをあげています。

一方、YKKが管理部門を東京から富山県黒部市へ、神奈川県川崎市に本社があるユースキン製薬は富山市に新工場を建設するなど、地方に本社機能を分散する企業もあります。
税制の優遇以外では、地方移転によって以下のようなメリットも得られると考えられています。
・雇用を生み出し、長く企業に勤める人材を都会よりも、確保しやすい
・オフィスの賃貸料や水道光熱費などの固定費が、都市部よりも安い
・地域経済が活性化し、地域の協力や応援を得やすい
地方移転は、こうしたメリットから得られる効果も考慮した上で、判断をする必要があります。

最近ではインターネット上で行えるビジネスの幅が広くなっているため、以前に比べると本社機能を首都圏に置く必要性は低くなっているといえるでしょう。とはいえ、本社機能の移転を多くの企業が行うようになるには、税制だけに留まらない魅力をそれぞれの地方に見出す必要があるのかもしれません。

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