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【コラム】公的年金に関する誤解を解く2 年金積立金の運用について

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2016年9月27日掲載

【コラム】公的年金に関する誤解を解く2。 年金積立金の運用について

公的年金については、さまざまな問題があり、不正確な報道や誇張された報道のため国民の間に誤解が広がっています。年金問題の専門家以外の経済や政治の評論家ですら誤解が多いのです。そこで今回は、年金積立金の運用について解説します。

年金積立金とは

年金積立金とは、厚生年金と国民年金の保険料のうち年金の支払いに充てられた残りの部分で、積立金として積み立てられた資金です。毎年の残りの部分を積み立てたに過ぎない年金積立金ですが、それが積もりに積もって、運用益を含め約130兆円になっています。
積立金が一見、あまりに巨額のため、年金積立金から年金が支給される(積み立て方式)と誤解し、「積立金の運用で巨額の損失があって将来の年金の支給額が減る」と不安になる人がいます。また、そのように煽る評論家やマスコミも少なくありません。

しかし、現実には、年金の支払いに充てられた残りの部分の一部が減るだけなのです。平成27年12月の厚生労働省年金局の発表によると、平成26年度の公的年金の総支給額は53兆4000億円となっています。年金積立金では、年金の支給総額の3年分も賄えません。実際は、基礎年金の国庫負担分など税金負担分もありますが、それらを加味しても数年で消えてなくなる程度の金額なのです。

年金積立金は、平成16年の年金制度改正において、「概ね100年間で財政均衡を図るという考え方に立ち、その財政均衡期間の終了時に給付費1年分程度を保有する」と変更されました。つまり、100年かけて、100年後の1年分の支給額になるように取り崩していくことが、約10年前に決まっています。順調に運用益が出る前提としても、倍の2兆円ずつ取り崩すことができれば良い方でしょう。株式運用の損出の影響が出るのは、この毎年1~2兆円の取り崩しの一部分に過ぎません。株式運用に損出が出たとしても、全体の支給額から見れば影響は軽微です。

いわゆる「100年安心」とされた現在の年金制度においては、「将来推計人口」「物価上昇率」「経済上昇率」「運用利回り」が大きな要素とされています。積立金の「運用利回り」の影響は限定的なもので、長期的には、他の3つの要素が予測通りに実現されるかどうかの方がずっと大きいのです。「運用利回り」だけを大きく取り上げ不安を煽るのは間違っているのです。個人的には、他の3要素が想定どおり実現するかどうかの方を問題視しています。

年金積立金の運用割合は?

現在、年金の運用の割合(資産構成割合)は、国内債券35%、国内株式25%、外国株式25%、外国債券15%です。
それまでは国内債券60%、国内株式12%、外国株式12%、外国債券11%でしたが、平成26年10月に上記のように変更されました。
国内債券の割合を下げて、国内株式の割合を倍増させ、外国株式・外国債券の割合も増やしました。以前よりもハイリスクハイリターンになっています。
そして、国内株式の割合を上げてからの運用実績、特に株式運用がマイナスになっていることが大きく報道されています。しかし、上述のように将来の支給額に対する影響は限定的です。そして、株式の運用については、プラスになったりマイナスになったりするものですから、短期的に一喜一憂することなく、長期的に考えるべきです。

もっとも、年金積立金は、もともと国民や企業が支払った保険料であって税金同様公的な資金であり、ゆくゆくは取り崩して年金支給の一部となるものですから、あまりハイリスクな投資は避けるべきです。年間で数十兆円、消費税の数%の規模で大きな損益が出る場合があるような投資は好ましくないと思います。

日本の公的年金制度は、現役世代が受給世代を支える賦課方式であって、年金積立金が運用により多少増えようが減ろうがその影響は限定的です。年金制度については、いろいろな報道がありますが、いたずらに不安を煽る報道に惑わされることのないように気を付けましょう。

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(記事提供 社会保険労務士・年金アドバイザー 八木 徹)

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