公認会計士のキャリアパス

公認会計士のキャリアパス

公認会計士のキャリアは監査法人、コンサルティング系、一般事業会社の3つ

公認会計士の主な就職・転職先は、監査法人、コンサルティング系(金融系含む)、一般事業会社の3つがあげられます。独立開業という選択肢もありますが、公認会計士資格だけでの独立は難しく、実質的には税務を身に付けて、公認会計士・税理士として独立するパターンがほとんどです。

監査法人

公認会計士が、試験合格後にまず就職するキャリアとして人気なのが監査法人です。監査法人も、その規模によって経験できる業務は異なりますし、その後のキャリアも変わってきます。

4大監査法人

世界4大国際会計ファーム系の監査法人として、有限責任あずさ監査法人(KPMG)、有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)、新日本有限責任監査法人(Ernst & Young)、PwCあらた監査法人(PricewaterhouseCoopers)の4つが有名です。通称BIG4と呼ばれ、会計士試験合格者の多くがこちらのBIG4系監査法人でキャリアをスタートすることを望みます。クライアントはグローバルに展開するような大手商社、大手製造業、大手金融機関、その他一部上場の大手企業が多くなっています。数千名の公認会計士が在籍しており、一つのクライアントに対してチーム制でサービスを提供していくスタイルです。業務指示書などは英語である場合も多く、アニュアルレポート等の提出書類も英語で作成する必要がある為、グローバル企業や大手金融機関、外資系企業の監査に関わる方は、中級以上の英語力を求められる傾向にあります。一時と比べると、給与水準はだいぶ落ち着いた感がありますが、それでも一般企業と比較すると高い傾向にあり、BIG4監査法人は公認会計士試験に合格した方々の人気の就業先の一つとなっています。しかし最近は、定年まで勤務するというよりは、会計士試験合格者が実務経験を積み公認会計士になるまでの修業の場としての位置付けの色味を増してきているのも事実です。

中堅及び中小監査法人

中堅~中小監査法人は大手監査法人と比較すると、組織化が進んでいない場合が多く、部門が厳密に分かれていない法人も少なくありません。その分、様々なクライアントを複合的に対応するケースも多くなっており、大手と比較して幅広い経験が積める環境であるとも言えます。また、クライアント規模が小規模である場合が多く、監査チームの人数も少ない為、若くしてインチャージを経験出来たり、財務デューデリジェンスやバリュエーション等の非監査業務に従事出来るチャンスがあったりといった点が魅力となっています。一方で大手監査法人程の給与水準が高くはない為、年収アップを求めて中堅~中小監査法人からBIG4監査法人への転職を希望する方も少なくありません。

コンサルティング系(金融系含む)

公認会計士が、キャリアアップのために選ぶ進路として人気なのがコンサルティング系企業です。コンサルティング系と言ってもFAS、会計系、事業再生特化など、いくつかのジャンルに分けられます。

ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス(FAS)

主に財務デューデリジェンスやバリュエーション等のトランザクション系サービスを提供している会社です。BIG4監査法人系のアドバイザリー会社が主な就業先ですが、独立系のFAS系ファームも複数存在します。FAS系でもBIG4系は大規模案件をチーム制で担当することが特徴で、独立系のファームでは規模が小さくなればなる程、幅広い業務分野にタッチ出来る可能性が広がります。
クロスボーダーM&Aの増加で国境を超えた業務が増え、一定水準以上の英語力も必要とされる業務となってきました。また、BIG4監査法人よりも若干、給与水準が高い為、公認会計士の中でもとりわけ人気の高い就業先の一つとなっていますが、景気変動の影響が非常に強い職場でもある為、やはり永続勤務をする会社というよりは修業の場的な位置付けとしての色合いも強くなっています。

会計系コンサルティング

制度会計系コンサルティングとも呼ばれる業界ですが、こういった分野で勤務をされる場合は、会計基準のスペシャリストを目指すケースが王道です。最近では国際会計基準(IFRS)導入に関するコンサルティング(会計基準変更におけるインパクト分析、各種コンバージョン業務)を提供しています。比較的、語学力を必要とする分野でもあり、英語と会計に適性がある方が活躍しやすい分野でもあります。

M&Aや事業再生系コンサルティング

M&Aや事業再生等の分野にフォーカスしてコンサルティングを行う会社になります。こういった分野はブティック型ファーム、または特化型ファームと呼ばれます。専門領域に特化している為、顧客に深く入り込み、専門的なサービスを機動的に行っていくことが出来る点が特徴的です。
M&A専門の会社であれば、M&Aのスキーム策定、合併後のファイナンスに関するシミュレーション、リスク抽出・分析、トランザクションサービス、M&A後のPMI等の業務を行います。
事業再生専門の会社であれば、現地での財務調査、再生計画の策定、金融機関へのスケジュール交渉、事業再生計画の実行支援、モニタリング、再生後のバリューアップ等を行っている会社が多くあります。
会計・税務というよりは、財務・戦略等の要素も増えてくる業務であり、ビジネスセンスそのものを問われるレベルの高い業務とも言えます。ハードワークとなることも多いですが、報酬レベルが高い企業も多く、スペシャリスト志向の公認会計士に人気の就業先となっています。

その他コンサルティング

公認会計士資格を活かせる進路として、金融機関での法人向けコーポレートファイナンス、投資ファンド等のリサーチャー~アナリスト等のコンサルティングで活躍する方法もあります。また、戦略系コンサルティングファーム、業務改善系コンサルティングファーム、システム系コンサルティングファーム等で活躍する公認会計士も増えてきています。

一般事業会社

活躍の場として、一般事業会社を選択する公認会計士も増えてきています。企業の場合、日系企業を選ぶか外資系企業を選ぶかで、その後のキャリアが異なってきます。

株式上場会社(日系)

上場企業で勤務する場合は、経理部門で月次決算、四半期決算、年次決算、有価証券報告書の作成、連結決算対応等の主計業務を行うケースが多く、会計に関する専門家として活躍される可能性が高くなっています。また、国際会計基準対応や海外連結といった国際化のトレンドも、公認会計士の企業での活躍の場を後押ししています。専門性が問われる一方で、一般企業の場合はジョブローテーションがある場合も少なくありませんので、特定の業務に固執せず、様々な部署で経験を積み、長く勤務していきたいという志向の方に向いていると言えます。M&Aや海外進出等を実施中の「動きのある企業」であれば、社内の特殊業務プロジェクトにアサインされる可能性もあります。他に、内部監査室等への配属可能性もあります。

外資系企業

外資系企業で勤務する場合は、日本法人の決算対応から本国へのレポーティング業務がメインになるケースが多く、FP&Aなどの管理会計業務を任されるケースも多くなります。
外資系企業が公認会計士を採用する場合は、基本的に大手企業が多くなりますが、小規模な外資系日本法人での採用となった場合は、ペイロールやキャッシュマネジメント等のバックオフィス全般の対応を任されるケースも少なくありません。そういった業務全般を経験しCFOを目指して行くといったキャリアパスもあります。外資系企業は日系企業と比較すると年収が100~200万円高いケースも多いですが、定年退職も50代である場合も少なくない為、就社というよりはスキルで勝負出来る自立したキャリアを築いていくんだ、という気概が必要かと思います。また、当然のことながら、読み書きだけでなく本国とのコミュニケーションが可能な程度の、高い語学力も必要となります。

独立開業

公認会計士で独立開業をされる方の典型的なパターンは、基本的な税務が経験できる税務系会計事務所で経験を積んだ後、税務顧問業務、非常勤の監査業務、スポットのコンサルティング業務といった異なるサービスを合わせて、やり繰りをしていくケースです。税務顧問契約を複数社結び、監査法人とも非常勤契約を結び、その他小規模な財務DDやバリュエーション等のスポット案件が獲得出来るような環境を如何に構築するかという点が大きなポイントとなります。複数社の非常勤監査役になるようなパターンもありますが、今では非常勤監査役のポジション自体が少なくなっていますし、M&A関連のスポット案件の単価も下がってきており、独立開業の難易度は非常に高くなっています。定期的な報酬が見込める税務顧問業務では、本業の税理士と競業してしまいますし単価も安い為、独立開業をしたものの組織に戻りたいという公認会計士が後を絶ちません。
そういったリスクを分散する為にも、単独で開業するのではなく、税理士、社会保険労務士、あるいは弁護士等と共同事務所を立ち上げ、総合会計事務所として営業をしていく公認会計士も増えてきています。いずれにしても自分自身で営業活動や経営をしていく覚悟がある方にしかお薦め出来ない難易度の高い選択肢の一つです。

 

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