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【トップ会計人が語る】常に向上心を持ち続ける税理士であって欲しい。

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東京・港区 グラントソントン太陽ASG税理士法人
代表社員 理事長 税理士
佐藤 陽一郎氏

1963年香川県生まれ。1986年関西学院大学卒業後、1988年株式会社元(げん)マネジメントサービス(現グラントソントン太陽ASG税理士法人)入社。2004年グラントソントン太陽ASG税理士法人理事長就任。オーナーサイドからみた戦略的税務・会計業務に従事し、ファミリーオフィス、プライベートマネジメント、事業承継対策や資本政策を数多く手がける。また、NPO法人ファミリー・ビジネス・ネットワーク・ジャパンの理事職や沖縄金融特区研究委員を通じてファミリーマネジメントの優位性・有意義性につき研究・啓蒙活動をおこなう。

税理士を目指した経緯 -経営者の道を気にしながら税理士を目指し始めた

1sato-thumb-150xauto-19 私は、大学在学中に税理士を目指し始めたのですが、実は初めから税理士になりたくて勉強を始めたわけではありませんでした。私の実家が事業を行っており、それを手伝う話もあったのですが、大学を卒業してすぐに実家に帰るのも気が向かなかった為ゼミの先生と相談し、将来的に実家に戻る際にバックボーンになりうる税理士を目指し始めました。

 大学卒業後、税理士試験の勉強期間を経て、当法人の前身である元(げん)マネジメントサービスに入所しました。約1年の大阪勤務を経て東京へと異動になり、オーナー企業や経営者に対して、法人税務や事業承継、組織再編などの税務コンサルティングを行いました。その後、私にとって人生の分岐点が訪れたのが、会計業界に入って5~6年経った20代後半の時でした。その頃、父の具合がおもわしくなく兄が実家の事業を継ぐ話が出てきたのですが、私も実家に戻って兄と一緒に経営に携わっていくのが良いか、それとも外部からサポートしていくのが良いか、非常に悩みました。やはり家族は大事なので戻りたい気持ちがある一方、私は兄と仲が良かったのですが、自分たちの子供の世代を考えたときに、ひとつの企業の中で家族がうまくやっていけるのかという懸念もあり、非常に悩みました。結果的に、私は実家には戻らず職業会計人としての道を選ぶのですが、どちらが正しかったのか、はっきりした答えは今でもわかりません。

 税理士としての仕事を始めてからは『クライアントと同じ目線の高さから物事を見つつも、違う立ち位置から客観的に事実を判断し意見していく』ということを常に意識しています。税理士はサービス業として、顧客に対し上からの目線になってはダメだと思いますし、逆に下手に出ても良くないと思います。経営者と同じ目線の高さに立ちつつも、専門家として広い視野で、また経営者とは異なる立ち位置から事実を判断し、意見を述べることが大切であり、それが税理士として経営者に求められていることだと思っています。

会計業界のこれまでとこれから -案件の高度化・複雑化、そして、中小企業のグローバル化

2sato-thumb-150xauto-20 日本の会計業界は2000年以降、会計ビッグバンや会社法制定などによって、これまでになく大きく変化してきたと思います。特に会社法の改正に伴い「会計」の概念が大きく変化していますので、それに付随する税法も大きく変化してきました。例えば、会社合併においてもひと昔前にはパーチェス法やプーリング法に関する議論はなかったのが、今では当たり前に行われるようになり、それらが税理士の業務にも大きく影響しています。また、今後はIFRSの導入が控えていますが、IFRSも従来の日本の会計基準とは会計概念が大きく異なっていますので、税務に関しても考え方が変わらざるを得ないと思います。日本全体がグローバル化していくことで、税理士としても常に最新の情報をキャッチアップし、制度法令の変化を「是」として業務に取り組んでいくべきだと思っています。

 一方で、クライアントからのニーズに関してですが、この10年~20年で案件が徐々に複雑になってきている傾向があると思います。数年前は、オーナー企業の税務であれば、法人税や所得税、消費税など、各ジャンルの単体業務の対応ができればよかったのですが、この数年でクライアントの立場やビジネス環境自体が変化してきており、依頼を受ける案件も複雑かつ高度になってきています。それぞれの税務が複合的に結びついたり、海外の税法が絡んできたりと、制度や法令の変化だけでなく、お客様のビジネス環境の変化によっても、税理士に求められるものが変わってくるのだと思います。

 ここ数年間で、大手企業だけでなく中小企業も海外進出に対し積極的な姿勢を見せていますが、近い将来、グローバル化はさらに進んでいくのではないでしょうか。現在、日本のグローバル化を妨げているものに「制度の壁」と「言葉の壁」がありますが、若い経営者であれば海外でMBAを取得されている方も増えてきていますし、ご子息をインターナショナルスクールに入学させることを検討されている経営者の方々も多く、すでに意識は海外に向いているため、彼らが社会に出る頃には、必然的に「言葉の壁」はなくなっていくと思います。そのため、若い税理士の方々は、今から国際税務のスキルや語学力を身に付けておくとよいと思いますよ。

会計業界で活躍できる税理士とは  -「向上心」と「複数の専門性」を持つ

vision2-thumb-150xauto-22 この10年間の税理士業界を振り返ると、税理士の人柄は良くも悪くも平準化されてきたと思いますが、会計業界で活躍できる人材の特徴は今も昔も変わらず『向上心のある人』だと思います。コンサルティング業界には‘up or out’と言った言葉がありますが、税理士も同じであり、個人が成長(up)しなければ組織も成長しませんし、ひいては業界自体も大きくなりません。向上心のない人は組織にとどまるべきではない(out)ということになり、税理士として活躍していくには、知識や人間性など常に自分自身を向上させ続けることが必要だと思います。

 そのような中、私は当法人内のメンバーに対し『ダブルT字型』の能力を身に付けて欲しいというメッセージを発信しています。「T」というのは「横の幅がひろく、同時に深みもある形」を表しますが、『ダブルT字型』とは「T」がふたつ並ぶ「TT」という形で、ふたつの深みを持っているということを表しています。当法人では、スタッフ達に二つ以上の得意分野を持って欲しいため『ダブルT字型」の人材を目指すように指導しています。得意分野がひとつだと、例えば「法人税なら誰よりも詳しい」と言う場合、時代のニーズや外部環境の変化によってそのスキルが活かせなくなる可能性があります。しかし、法人税に加えて会社法や事業承継、あるいは海外の税務知識や語学力を身につけることでTの文字をダブルにもトリプルにもすることができ、変化に強い人材になることが出来ます。それによって、スキル面でも精神面でもより強い税理士になることができるのです。

 このような向上心と複数の専門性を持つ人材を育成していくことを意識して、グラントソントン太陽ASG税理士法人では、‘Precious One’というメッセージを発信しています。‘Precious One’には「かけがえのない存在になりましょう」という想いを込めているのですが、これにはふたつのメッセージがあります。ひとつは、「●●さんにお願いしたい」と言われるような、『お客様にとってかけがえのない存在になりましょう』というメッセージであり、もうひとつは、当法人で働くことによって高い専門性を身に付けていくことのできる自己を実現するという、『グラントソントン太陽ASG税理士法人が職業会計人にとってかけがえのない機会を提供します』というメッセージです。

カイケイ・ファンをご覧の皆様へ一言

 税理士として常に向上心を忘れないでいて欲しいと思います。それぞれ、得意な分野はあると思いますが、専門家として複数の専門性を身につけることを意識して下さい。向上心を持つこと自体がアドバンテージになりますし、税理士業界は‘up or out’の世界ですので向上心を持たなければ、いつか業界から取り残された税理士となってしまいます。専門となるバックボーンは多ければ多いほど良いと思いますので、専門家として複数の専門性を身に付けることを意識し、常に‘up’することを目指していって欲しいと思います。
(2010年8月5日掲載)

グラントソントン太陽ASG税理士法人

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