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【トップ会計人が語る】数字だけでなく、クライアントのビジネス全体を把握できる会計人に

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東京・千代田区 クリフィックス税理士法人
代表社員 公認会計士 税理士
山田 徳昭氏

慶応義塾大学大学院修了。1990年に中央監査法人に入所し、約8年間、監査業務やベンチャー支援業務に従事。

1997年に独立し、公認会計士山田徳昭事務所を設立。その後、2003年に法人化し、クリフィックス税理士法人の代表社員に就任。

Clifixという社名には、(Client First)という思いが託されている。 顧問先の半数以上を上場会社やその子会社等が占めており、特に大手金融機関のグループ会社やIT関連企業を主なクライアントとして、高度な税務・会計アドバイザリー業務を提供している。現在、約70名の人員を擁する。

資格取得から法人設立に至る経緯

 私が大学2年~3年生の頃、ちょうど世間はバブル経済の末期でした。多くの友人達が、好条件であった銀行や証券会社への就職を希望するなか、私も心惹かれる部分はありましたが、単純に自分も同じ選択をしてしまってよいのだろうか、何かやっておくべきことはないのだろうかといった漠然とした不安感がありました。悩んだ結果、すぐに就職するのではなく、資格を取得しておいたほうがよいだろうと考え、公認会計士の勉強をスタートしました。その後、大学院の2年目に会計士試験に合格することができ、縁あって中央監査法人(後の中央青山監査法人)の国内監査部に入所しました。

 入所後しばらくは国内の中堅から大手企業を対象とした、一般的な監査業務に従事していました。そして3~4年経ったころ、別の経験を積む機会に恵まれました。1つは大手銀行の監査業務です。金融ビジネスの一部にふれることができたとともに、銀行側の担当者、監査を行なうメンバー、ともに優秀な人が多かったので、良い刺激を受けることができました。もう一つは、その頃、法人内でベンチャー企業支援チームの立ち上げの話があり、そのチームに参加したことです。今でこそベンチャー企業支援は監査法人でも一般的なサービスですが、当時はまだまだ大企業の監査を行うことが花形で、ベンチャー企業の支援は手間ばかりかかる業務というイメージがあったと思います。実際にも、そうした面があったことは事実です。上場するためには、同族関係の取引を解消しなければなりませんが、そのために経営者のかたと向きあって粘り強く説得したり、決算作業が間にあわない時には、経理部の担当の方たちと一緒に夜遅くまで作業したりと、たしかに大変な仕事でしたが、とてもやりがいを感じました。  そうした経験をしたことも影響していると思いますが、その頃から、自分が一生、携わる仕事として、自分自身にあったものを選びたい、それはクライアントと対峙する可能性のある「監査」ではなく、クライアントサイドに立って業務を行うことだと考えるようになりました。そうした思いが次第に強くなり、成功するという確信などありませんでしたが、独立という道を選択しました。

 立ち上げ当初は、クライアントの獲得に試行錯誤しました。無料税務相談会の相談員に手を挙げたこともあります。その時、相談してきたかたのうち数人からは、その会場だけの相談にとどまらず、その後も何度も相談を受けました。そのたびに誠心誠意アドバイスしたにもかかわらず、まったく成果にはつながらず、現実は厳しいものだと痛感したことをよく覚えています。ただ、そうした中で前職の監査法人の先輩や友人などからクライアントを紹介して頂けることがありました。そうしたチャンスをもらった時は、1社1社に全力投球、「できることはすべてやる」という気持ちで仕事を進めていました。ミスをしたり、お客様に不満を抱かれたりしたら、紹介してくれた人に顔をあわせられなくなってしまいますので、細心の注意を払いながら、丁寧な仕事をすることを常に心掛けていました。  そういった姿勢が評価されたのでしょうか、次第に、クライアントからの紹介が増えてきました。たとえば、ある上場会社の子会社1社が顧問先であったのが、その子会社から紹介を受け、そのグループ会社の顧問先が3社、5社と増えてくるようになりました。グループ各社の経理担当の方たちは横でつながっているケースも多いことから、何かあると推薦を受けることができました。そうしていくうちに、事務所の経営も徐々に軌道に乗りはじめ、2003年に、法人として組織的にサービスを提供したいという思いから、クリフィックス税理士法人を設立し、現在では70名規模に至っております。

総合力が強い貴所の特徴について

yamada2-thumb-150xauto-88 当法人では、一般的な税務・会計業務から組織再編、国際税務、事業承継、IPOなど税務・会計分野を総合的にカバーするサービスを提供させて頂いておりますが、その中でも、特徴となる点が2つあります。

 1つ目の特徴は、高度な論点、難易度の高い論点にこそ、我々の価値があると考え、その点を強みにしている点だと思います。クライアントはインターネットや書籍で簡単に調べられる程度の情報には、価値を見出してくれなくなっています。一方、組織再編、連結納税、国際税務などの分野では、毎年のように税制改正があり、条文にはかなり難解なものもあります。こうした分野では、税務について一定の知識を持っている、たとえば上場会社の経理部長のような方でも、プロフェッショナルに頼らざるを得ません。しかも、金額的な影響も数億、数十億以上になることも少なくありません。このような案件で、潜在的な税務リスクを指摘したうえで、税務リスクが抑えられる対案を出せるようにすることこそが、もっともクライアントから評価を受けられることだと思っています。むろん、クライアントからの質問は難解なものばかりとは限りません。ただ、そうした知識を蓄えていることにより、再編のような特殊な場面に限らず、日常のサービスにおいても、クライアントが想定していないリスクを指摘することができ、節税につながるアドバイスを行いうるものだと考えています。

 2つ目の特徴としては、すべてのスタッフに、税務と会計両面の知識をつけてもらうようにしていることです。当法人では、税理士か公認会計士かということはまったく関係ありません。1人のスタッフが、自分の担当クライアントに関しては、税務・会計両面のアドバイスを高いレベルで行えるようにしています。このことは、クライアントの立場に立てば、自然な流れでした。例えば、組織再編の事案で、あるストラクチャーが税務上は問題がなくても、会計上はとりえない選択肢であるということがあります。こうした案件で、「税務上は問題ありません」というアドバイスだけをしても、意味がないどころか、誤った誘導をすることになりかねません。また、費用の計上のタイミングなどでは、税務調査と会計監査で逆の指摘をされるということがあります。例えば、ある取引について、税務上は当期の費用として処理することが認められない可能性が高いため、翌期の費用とする処理を行なっていたとします。ところが、決算のときになって、監査法人が「会計上は当期の費用と処理すべきだ」と指摘してくることがあるのです。私たちは、税務だけではなく会計処理についても検討し、クライアントに対して「税務上と会計上の処理が異なる可能性があるため、監査法人と事前に相談をしたほうがよい」と事前にアドバイスをすべきなのです。でなければ、土壇場になって決算数値を修正せざるを得ないなど、大きな問題につながってしまいます。このように、税務と会計、双方を常に意識しながら、クライアントにアドバイスしていくということは、とても重要なことだと思います。  むろん、税務と会計のアドバイスを異なるスタッフが行うということも考えられます。ただ、クライアントの立場に立てば、一本の電話やメールでやりとりが済むほうが好ましいですし、スタッフにとっても、自分が税務と会計の片方しかアドバイスできないというよりは、両面にわたってアドバイスできるほうがクライアントからの信頼を勝ち得やすく、それが自分のやりがいにもつながると思います。

今後の法人の戦略

 新規事業への取り組みを強化するより、ありきたりに聞こえるかもしれませんが、当社のスタッフが、さらにクライアントから信頼され、評価されるようにしていきたいと考えています。クライアントの経理担当者が、仮に他社に転職しても、引き続き、当社のスタッフに仕事を頼みたいと思ってくれるかどうか、それが私のなかでは1つの基準になっています。クライアントからきた質問に適切に答える、これは当然のことであって、それだけではクライアントからの評価は限定的です。私が重要だと考えているのは、少しでもよいから、クライアントの期待を超える対応をする、ということです。たとえば、クライアントからメールで質問をもらい、そのままメールで返信して終わりとしてもかまわないような場合でも、内容が少し複雑なものであれば、「お時間をいただければ、今から説明に伺います」という対応。また、質問に関する直接的な回答だけであれば、メール数行で済ませられるところを、その質問に関連して、今後、発生しうる論点、すなわち直接は聞かれていない論点を含めて、見やすく整理した表を作って返信すること。それら1つ1つは大きなことではありませんが、そうしたことの積み重ねが大きな信頼につながっていくと考えています。  先ほど、クライアントから紹介を受けることが多いという話をしました。それは、スタッフのこうした対応がベースにあると思っています。そして、このことはスタッフ本人にとっても、大きなやりがいにつながっていると思います。たとえば、ある上場会社があり、最初はその子会社1社だけが顧問先であったものが、自分自身のがんばりで、グループ会社を1社、また1社と紹介してもらえる。それは自分の仕事が評価された最大の証ですし、その過程でできた信頼関係、人脈は、その本人とって大きな財産になると考えています。

カイケイ・ファンをご覧の皆様へ一言

 「自分は税理士/会計士だから、経理のことに詳しければよい。」ということでは、成長に限界があると考えます。これからは数字だけではなく、クライアントのビジネス(ヒト・モノ・カネ)を把握できる会計人が必要とされる時代だと思います。  そのためには、「上へ、横へ」という意識を持って欲しいと思います。 「上へ」というのは、顧客の経理担当者だけでなく、その上席の経理部長→役員→社長と、より上位の方と接する機会をつくるということです。「横へ」というのは、経理部門だけでなく、経営企画、営業、生産部門など、他部門の方との接点を増やすという意味です。  上位職の方と接することで、会社全体として何を重要視しているのかが分かり、私たちがどのようなサービスに力を入れるべきか、どのように優先順位をつけるべきかという判断がしやすくなります。また、様々な部署の方々と接することで、帳簿上の数字だけでなく、現実のビジネス、すなわちその会社の商品やサービス、そしてそれを動かしている人の動きが理解でき、数値だけを見ていてはわからない、実態にあったアドバイスが提供できるようになります。  すでに会計業界で活躍している方も、これからの会計人を目指す方々も、上記のような視点を持って欲しいと思います。

(2012年4月4日掲載)

クリフィックス税理士法人

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