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【コラム】 監査法人が企業を”青田買い”する時代

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2013年は、大手監査法人が新たな展開を始める節目になりそうだ。 年末の日経新聞(2012月28日・夕刊)に面白い記事が載っていた。冒頭だけ引用する。

「監査法人、上場予備軍VBと大企業の協業を橋渡し」~大手監査法人が技術力のあるベンチャー企業と大企業の協業を橋渡しする。将来、株式を上場できそうな企業の育成を後押しすることで、監査業務の顧客を開拓するのが目的だ。顧客となる上場企業の数は減少傾向。会計士試験に合格しても監査法人に就職できない人が多数おり、監査法人は収益力の改善が課題になっている。

記事の続きによれば、新日本監査法人が大手とベンチャーの交流会を企画したり、トーマツが新事業を始める大企業に関連技術を持つベンチャーを紹介したりする取り組みのようだ。リーマンショック後、一部ではリストラに踏み切るなど景気低迷の影響を受けていた大手監査法人だが、新境地を切り開くことで攻めの一手に転じたといえる。大手監査法人の強みは、大手企業との結びつきだ。これを生かしてベンチャー企業とのお見合いの仲立ち役もできるし、同時にその有望なベンチャーをいち早く囲い込んで上場までを面倒みられれば、監査法人にとっても将来有望なクライアントになる。新日本もトーマツもこの1月からサービスを開始するといい、大手監査法人が反転攻勢に転じた動きを見逃さずにレポートした日経新聞の記者の目の付け所も鋭いといえよう。

日経の記事では、監査法人が新たな取り組みを始める背景として、上場企業数の低迷などによる収益悪化の打開といった切実なところを挙げているが、もう少し長い目で考えてみよう。ここからは推測だが、監査法人側としては、5年、10年スパンで産業構造の変化の先行きを念頭に置いているのではないだろうか。

たとえば先ごろ、経済メディアで脚光を浴び始めた「3Dプリンター」。コンピューターに入力した設計図を基に機械が粘土細工のように造形物を精巧に仕上げる。現在は、試作品や部品といった小規模なモノづくりに用途が限られているが、このプリンターは安いものだと数十万円以内で買うことができるのが特徴だ。3Dプリンターが普及すれば何が起きるのか。社会起業家コンサルタントの長沼博之氏はNHKの取材にこのような未来像を語っている。「中小零細企業もさまざまな商品を作り上げていけるようになるので、大企業だけでなく中小零細個人が製造メーカーとして立ち上がっていけるような時代になってくる」(2012年10月30日・おはよう日本)。

これまでIT企業といえばサービスが主流だった。しかし3Dプリンターによる「21世紀の産業革命」が実現すれば、モノづくり産業の概念がドラスティックに変わりかねない。大きな資本で大きな設備投資ができる大企業でなくても、小さなベンチャーが3Dプリンターを駆使して世界的な商品を作り出してもおかしくはなくなるわけだ。「小が大を飲み込む」とまでは言い過ぎでも、IT化で「小さな会社が大企業と渡り合える」方向になりつつあるのは確かだろう。

そうした意味では、監査法人が上場前から有望なベンチャー企業を囲い込む方向にシフトしていくのは時流にかなっており、今後もこの流れが加速しそうだ。会計士を志望する方々も産業動向の変化にはアンテナを張っていただければと思う。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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