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【コラム】 もしも「信長の会計士」というドラマがあったら

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2013年1~3月クールのテレビドラマで、意外な作品がウケた。 「信長のシェフ」(テレビ朝日系)。深夜枠ながらほぼ毎回、視聴率が2ケタに達する健闘をみせた。

ドラマの主人公は、フレンチ料理人のケン。どういうわけか戦国時代にタイムスリップしてしまい、記憶もほぼ喪失。ところが一流の料理の技術だけは忘れておらず、偶然出会った織田信長にその腕前を存分に奮うことになる。「蓮根ポタージュ」「真鴨のロースト」「戦国風インスタント湯漬け」「牡蠣(かき)のグラタン」…食材はその時代のものに限られていながら、当時は存在していなかった極上の逸品を次々に作りだす。やがてケンは織田家の料理頭に取り立てられる活躍をする。現代からタイムスリップした主人公が未来の技術を持ち込んで異才ぶりを発揮する設定は、「JIN~仁~」(TBS系)を彷彿とさせる。あのドラマは、現代の外科医が幕末に迷い込み、奮闘する姿を描いて大ヒットした。タイムトラベルものは時代の異なる登場人物同士が出会った時のギャップや、その時代に「もしも」このノウハウがあれば、という想像を駆り立ててくれる面白さがある。

「信長のシェフ」も「JIN」も原作は漫画だ。仮にある出版社が今度は会計士を主人公とした作品をつくることになったとする。あなたが会計士で、監修を務めることになり、編集者から「どうしたらいいですかね?」と相談されたとしよう。

作品を作っていく上で難点があるのは、料理人や医師と違い目に見えるメリットを表現しづらいところだ。すなわち、料理人なら昔の人が食べたことがない絶品を作り出す、医師なら当時の医学・薬学がまだ発見していなかった治療で患者を救い出す、といった分かり易い「絵」を読者に提示できる。ところが、会計士の場合だと、帳簿上の数字という抽象的なものを取り扱うだけに、タイムスリップした先の昔の人々をどのように驚かすかが思案のしどころだ。

タイムスリップ物語の面白さのキモは、まさに文明の「ギャップ感」だ。筆者が監修を務めるなら、まずは現代の会計制度の成り立ちや日本の会計の歴史をざっと調べ、どの時代に現代の会計ノウハウを持ち込めば見応えのあるドラマを作れるか模索する。デロイト・トーマツ社サイトの「会計監査の歴史・しくみ」によると、日本で現代の複式簿記の概念が持ち込まれたのは明治以降のこと。さらに調べてみると会計士制度が出来たのは意外に遅くて大正期に入ってからなのだ。そうすると、昔の日本を舞台に物語を作るなら江戸期以前が妥当だろう。なお複式簿記の概念の始まりは諸説あるらしいが、イタリア・ルネサンス期の数学者、ルカ・パチオリが「ヴェネチア商人が伝える記帳の方法」として紹介したのが現代の複式簿記の仕組みの原型なのだという。

もう一つヒントになりそうなのが、幕末の加賀藩の経理担当の武士を主人公にした映画「武士の家計簿」だ。この作品は武家の慣習で出費が重なり、火の車となっていた家計を立て直すために世間体を捨てて苦闘するお話だった。昔の勘定周りの様子は参考になる。ただ、「信長のシェフ」や「JIN」のように、主人公を歴史上の有名人や事件と絡ませないと物語にダイナミズムが生まれない。タイムスリップした現代の若手会計士が信長の天下統一をどう手助けするかだ。会計士の活躍で経費の無駄を見付けて信長の財政施策をサポートしたり、使途不明金を洗い出して悪徳家臣を告発したりするストーリになるだろうか。

ただ、会計士の手腕が発揮しやすいのは「火の車」になっている大名家の方かもしれない。もし筆者が監修を務めるなら、江戸中期の米沢藩の財政を立て直して名君とたたえられた上杉鷹山の知恵袋として活躍するお話を薦めると思う。皆さんが監修をするなら、現代の会計士をどの時代に送り込んでみたいだろうか?

(記事提供/株式会社エスタイル)

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