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【トップ会計人が語る】会計人としてプロフェッショナルであるために

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東京・港区 あいわ税理士法人
パートナー 税理士
小川 賢一氏

大学卒業後、税理士試験合格と同時に日系大手会計事務所に入所。
15年の勤務後、平成17年より、あいわ税理士法人に参画。
現在はパートナーとして経営に参画し、会計人として活躍しながら法人の人材採用や人材育成も手掛ける。

あいわ税理士法人について

aiwa1 弊法人は平成4年に代表である石川が代表を務める藍和共同事務所としてスタートし、周りの皆様に支えられ昨年で20周年を迎えました。
 石川がもともと大手の監査法人出身でしたので、監査法人のIPOセミナーを通じ、IPOを目指す成長企業のお手伝いをベースにスタートしました。その後、会計士業界からの知り合い・友人からの紹介、監査法人からデューデリジェンスの依頼をお受けするなど、幸いなことに多くのお客様をご紹介頂き、税務の顧問契約をさせて頂くお客様、スポットで案件をお手伝いさせて頂くお客様など様々な案件に関与させて頂きました。また、石川が役員に就いている兄弟会社のビジネス・アソシエイツというERPのパッケージソフトを扱う会社があり、そのお客様を対象とした会計・税務の勉強会を行い、それをきっかけに仕事を頂くなど、様々なルートで多くのご依頼を頂くことが出来ました。

 現在では、中堅~中小企業のお客様もそうですが、上場企業およびそのグループ企業やIPO準備企業などの顧客が多く、IPO支援から実際に上場されたお客様も10数社ございます。お客様の事業拡大に伴い、税務上の処理が複雑になるタイミングで、個人の事務所から切り替えて頂き、弊法人を利用頂くケースが多くございます。
 私どもは、税務の顧問業務を柱とし、連結納税、相続対策、税務面でのIPO支援・資本政策、事業承継、組織再編、M&A支援など提案業務を中心に、高度な税務知識を要する課題を様々な場面においてお手伝いさせて頂いています。税理士としての経験・知識を十分に発揮出来る、付加価値の高いサービスを提供出来るよう日々取り組んでいます。

 上記のようなサービス内容のため、現在、弊社では庶務を除く職員全員が公認会計士、税理士の資格者という体制です。もちろんそれ自体に意味があるわけではありませんが、各人がプロフェッショナルとしての自覚を持って、より良いサービスをクライアント様に提供していきたいと考えています。

プロフェッショナルな会計人とは何か、を学んだ若手時代

aiwa2 税理士を目指し始めたのは大学3年頃からでした。
当時は何か熱い志を持って税理士を目指したというよりは、実家が家業を営んでおり、将来はそれを継ぐのかもなと考えていたので「簿記をやっておけば役に立つだろう」といった、割と平凡な理由でした。在学時に簿記論・財務諸表論の2科目に合格しており、就職しようかどうか迷いましたが、まずは資格取得に専念して税理士5科目合格してしまおうと考え、大学卒業後も就職せずに試験勉強を続けることにしました。

 勉強に専念し始めた時期に、とある会計事務所でアルバイトを始めたのですが、縁もあって、試験勉強にひと通り目途がついたタイミングで、そのまま正社員として働かせて頂くことになりました。入所当初は、法人の決算をしっかりと組み、税務申告書を正しく作成するというところからスタートしました。そこまではどの事務所でも同じだったと思います。ただ、おそらく他の会計事務所と違ったのが、当時の所長に「勉強はしっかりとやりなさい」としつこいぐらいに言われたことです。
 税理士科目には無かったのですが、例えば当時で言う商法(会社法)は、企業を相手に仕事をする際、顧客の組織全体図を俯瞰するため、なくてはならない知識ですので、当然知っておかねばなりません。また、税理士として仕事をするわけですから、国税3法はすべて理解をしておかないと駄目で、法人税、所得税、相続税も知っている上でサービスを提供するべきだ、と。その所長の方針は、プロとして仕事をするわけですから、とにかく知らないことがあってはならないというスタンスでした。
 そのため、当時は通常の業務に加えて、たくさんの課題を提出しなくてはならず、かなりの勉強が必要な環境だったので、とにかく大変でした。でも、若いうちに厳しくしごいてもらえたことを、今では大変ありがたく感じています。もし、そういった時期がなかったら、その後の会計人としてのスキルも大きく変わっていたと思います。

 当時の所長は口癖のようにいいました。「税理士は自由業、1流になるのも3流になるのもあなたの自由だ。もし1流になりたいなら、とにかく勉強しなさい」、「お客様はアマチュアと思って聞いてない。プロとしてサービスを提供しなさい」と。その言葉は今でも私の仕事の考え方に大きく影響しています。本当のところ、当時はその言葉の意味のすべてがわかったわけではありませんでしたが(笑)。しかし、今思い返すとその意味が良くわかります。部下を持つようになってからは、当時の所長と同じようなことを、つい言ってしまいますね。
 また、お客様とのコミュニケーションの重要性についても良くいわれました。「お客さんと酒を飲んでくるときはちゃんと飲んで来い」と。酒を酌み交わすことでお客様と腹を割って話せるようになるのだから、しっかりと付き合ってこいと教えられました。

勉強と仕事を両立させなくてはならずとても大変でしたが、「プロフェッショナルの会計人とは何か」ということを叩き込まれたことがあったからこそ、今の自分がありますので、当時の所長には心から感謝しています。

会計のプロフェッショナルを生み出す組織を作るために

aiwa3 最初の会計事務所で15年近く働かせて頂いたのですが、ある時期を境に新たな環境で活躍の場を求めるようになりました。新天地を求めるに当たって、独立という選択肢もなかったわけでないのですが、独立するとなると営業や資金繰りなどもやらなければならず、業務に専念できないだろうと思っていました。大変有り難いことに、事務所を辞めることを知った様々な方からお誘いも頂いたのですが、最終的には、今のあいわ税理士法人にお世話になることを決めました。
 現代表の石川との出会いは、最初に入所した事務所で2年ほど同じチームで仕事をしたことがきっかけでした。監査法人で社会人経験のあった石川は、ビジネス的な基礎も含めて色々と教えてもらった先輩でもありました。また当時から、仕事に対する価値観をお互いに共感できることも多く、一緒にビジネスをしていきたいと思ったのが、転職先として選んだ理由でもあります。
 現在では、パートナーとして弊法人の人材採用についても担当していますが、目指すべきことは、各職員がプロとしての自覚を持った組織にすること、そのための十分な機会を与えられること、だと思っています。それは私が最初に勤めた会計事務所で、幸いにもそうした機会を多く与えられ、今でもその重要性を強く認識していることにも起因しています。
 私が現法人に参画した当時は、20名ぐらいの規模でしたが、現在では税理士法人だけで35名強と徐々にですが組織も拡大し、専門誌への寄稿、本の執筆、税理士会や税務研究会などのセミナー講師を務めるなど、所外に情報発信する機会も増えてきました。
専門誌・出版物などに掲載される際、執筆作業を行った担当者の名前は出ずに代表者の名前のみ出ることも多いようですが、弊法人の場合は執筆した職員の名前を出すようにしています。自分が執筆した書籍が書店に並ぶことはうれしいことですし、仕事のモチベーションアップにつながります。また同時に社会に情報を発信することの責任感、またプロフェッショナルとしての自覚を養うことにつながると考えているからです。職員が関係した雑誌の表紙、セミナーのチラシ、本のタイトルや、掲載されている記事などはオフィス内でも掲示しており、日々それを目にすることで、他の職員にも「自分もこうした記事を書いてみたい」、「セミナーの講師をやってみたい」、「うちの事務所だといろんなチャンスがある」という気持ちを持ってもらい、経験を積み重ねてほしいと思っています。
 職員をプロフェッショナルとして人前に出すわけですから、所内でも毎月各職員がセミナーの練習を行うなど、お越し頂く皆様に満足して頂けるような内容にするべくトレーニングも行っています。

 

 目先の作業や利益に捉われることになく、プロフェッショナルとしてお客様、さらには社会全体に提案・発信していく、私自身そうした仕事をしていきたいと思っていますし、また弊法人で働くメンバーにも、そうした機会を出来るだけ多くもってもらいたいと思っています。

カイケイ・ファンをご覧の皆様にひと言

 若手のうちは受動的な仕事も多く、細かい業務をやっているとどうしてもやらされ感があると思います。その業務にだけフォーカスをしてしまうと、なかなか会計の面白みを感じないかもしれませんが、その仕事が全体の中でどういう意味合いを持つかを意識していくと、同じ仕事でも見方が変わってくると思います。
 全体というのは、その会社の経理全般であり経営全般のことです。経理の担当者からの視点で仕事をするか、経営者からの視点で仕事をするのかで、その後の成長も異なってくると思います。全体を俯瞰する視点を養っていくことで、作業者としてではなく、税務上のアドバイス、経営のアドバイスの出来るプロフェッショナルな税理士として仕事が出来るのだと思います。
 これから資格を目指す方も、すでに会計人として活躍されている方も、ぜひプロフェッショナルな会計人を目指して頂けたらと思っています。
(2013年3月27日掲載)

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