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【コラム】 「解雇解禁」に会計士、税理士はどう向き合う

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2013年5月2日掲載

あなたが勤続20年のサラリーマンだったとしよう。
ある日、上司に会議室に呼び出され、二人きりの面談をする。最近、営業成績が振るわないことへの叱責か――。そう覚悟したあなたに上司は「君に100万円をあげよう」と言う。突然告げられた“臨時ボーナス”の支給。あなたは一瞬きょとんとしながらもきっと「ありがとうございます」と反射的にお礼を言ってしまうかもしれない。

いいんだよ、会社の業績が厳しい中、君は頑張ってくれてるしね……上司がそんな感じで励ましてくれるかと思いきや、100万円を渡す代わりにこんなことを告げられる。
「その代わり、今日でクビだからね」。

解雇規制の緩和――。ここ数年、財界から国の規制緩和政策への要望として挙がり始めているイシューとして耳にしたことがある人もいるだろう。一度、正社員として従業員を雇用すると、我が国は諸外国と比べてクビを切るのが難しい。経営サイドの都合で社員をクビにする「整理解雇」の場合、①企業の財務状況などで人員削減の必要性があるか②新規採用の抑制や非正規社員の雇い止めなど解雇回避の努力をしたか③人選の合理性はあるか④労働組合や従業員への説明など手続きに妥当性があるか――の「4要件」を満たすことが求められる。これは法的に明文化しているのではなく、裁判所の判断によっている。あえて意地の悪い見方をすれば、仕事がかなり出来ない社員でも一度雇ってしまうとクビにはできないわけだ。財界や急進的な経済学者から「解雇解禁」を求める理由の一つは、こうした厳しい規制が敷かれることで、産業の栄枯盛衰があっても衰退産業から成長産業に労働力が十分に移動せず、結果的に日本の経済成長が停滞してきたとみているからだ。さらに日本では政治が「解雇解禁」に反発する世論を怖れ、なかなかメスが入らなかった。

しかし安倍政権の誕生後に規制緩和の旗振り役として設置した政府の産業競争力会議では、解雇規制の緩和を前向きに模索する動きが出てきた。先日のコラム「アベノミクスで生き残る会計士、税理士」でも触れたように、同会議は産業の新陳代謝を促す意識がかなり強い。人材移転を進めようというわけだ。「解雇解禁」というキーワードは数年前までは一部の経済メディアが取り上げるにとどまりがちだったが、大手紙やテレビなどが報じるようになったのも現実味が出てきたからだろう。安倍政権の高い支持率を背景にいよいよメスが入るかと思われた。ただ4月下旬に入り、解雇規制の緩和は政府が6月につくる成長戦略には盛り込むことは見送られる見通しになった(2013年4月24日・日本経済新聞)。それでも、自民党が参院選で勝利して「ねじれ国会」が解消すれば、今後解雇規制の緩和が経済政策の俎上に再び乗る可能性もある。

そうした時代にあって、会計士や税理士を志望している人は賢明だともいえる。直近で解雇規制緩和はないとしても、あなたが20代なら、40歳を迎える頃の日本ではむしろルールが変わっている可能性が高いとみるべきだ。冒頭で書いたような上司と部下のやり取りが当たり前の時代になれば、勤め先から「戦力外」と判断された社員は一定額の金銭を受け取る代わりに職場を去る。もしあなたが際立ったスキルや資格を持たないままに40代を迎え、会社の外に放り出されてしまえば再就職も容易ではないだろう。仕事を見付けられたとしても給料はかなり切り下げられる可能性が高い。

一方、会計士や税理士を取得しておけばその技能ゆえに企業社会で必要とされるポジションにいられる。「解雇解禁」時代を迎え、リストラにおびえている一般サラリーマンの同世代の友人が「担い手が少ない介護の世界に行きましょうと言われてもねえ…」と茫然とするのを横目に、あなたはビクビクせずに仕事にまい進できるわけだ。

「リーマンショックの後、会計士もリストラされたじゃないか!」という反論もあるだろう。もちろん、今後も不況になったときに解雇規制が緩和されていれば、監査法人でも同様の首切りはあるかもしれない。しかし、それでも会計士の資格があれば転職市場で高いレベルでの求職活動ができるし、40歳くらいまでに一定の業務経験があれば、むしろ引く手あまたになる可能性すらある。手に職を付ければ食いっぱぐれることはない。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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