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【コラム】 TEDを目指すべき会計士、税理士

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今年も熱いプレゼンテーションが繰り広げられた。
さる5月11日、「TED×Tokyo 2013」が東京・渋谷の渋谷ヒカリエで開催された。TEDはアメリカ発祥の講演イベントで、テクノロジー、エンターテイメント、デザインの頭文字を取った略称。様々な分野の第一人者がショーアップしたステージに立ち、ビル・ゲイツやクリントン元アメリカ大統領などの世界的な著名人も参加。日本でも2009年から都内で行われ、近年急速に注目を集めている。

今年の登壇者も多彩でユニークな講演を披露した。AKB48の専門家で知られるサブカルチャー評論家の宇野常寛さんが、文化発祥の拠点だった渋谷の街の変貌ぶりを辛口に指摘すれば(http://bit.ly/10H0MEv)、おもちゃ開発者の高橋晋平さんは「新しいアイデアのつくり方」と題し、市場データと一線を画した独創的な商品づくりの秘訣を披露(http://bit.ly/16ynx06)。今年も多くの参加者がテーマにまつわる現物を持参し、笑いも交えた内容で楽しませてくれた。

TEDには企業経営者も参加するが、残念ながら会計士、税理士の参加者はお見かけしない。こういう華やかな舞台に積極的に立とうという人材が元々少ないこともあるだろうし、「会計士・税理士役がハマる女優は?」のコラムでも指摘したように、帳簿上の数字を扱う業務の特性上、手品のような芸当ができるわけではないからかもしれない。

ただし、仕事の面白さを社会性や話題性に絡めて発信すれば、見せ場のあるプレゼンテーションになるのではないか。例えば、東日本大震災の被災地では、企業経営の心得がある有能な若手が続々と現地に入り、復興支援のためのNPO法人や株式会社を立ち上げるなどして活躍している。いわゆるソーシャルビジネスだ。耕作放棄地の解消で農村を元気にするプロジェクト、過疎が進む街の廃校を拠点にした通信制高校など様々な事業が運営されている。ただし、単なる慈善事業とは違い、利益も生まなければ持続できない。もし、あなたが会計士、税理士で知見を活かして復興支援をしたいというのであれば、こうしたソーシャルビジネスに参画し、優遇税制の利用や財務・会計管理、あるいはビジネスモデル構築に貢献してもいいだろう。手掛けたソーシャルビジネスが官庁やメディアに成功モデルとして注目されるまでになったら、そのノウハウを対外的に打ち出してもいい。

現実的にTEDに登壇するほどの活躍は簡単ではない。しかし既成概念にとらわれず、会計士・税理士の新しい働き方や社会貢献の在り方を模索している人はひとつの夢として描く価値はあるのではないか。TEDの登壇者を注目しておくだけでも最先端のビジネス、社会動向を知る上で意義はある。ヘッドセットのマイクを身に着け、あのステージを目指す会計士、税理士が出てくることを期待したい。

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