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【コラム】会計帳簿と不動産の意外な関係

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ある日、会計士から不動産鑑定に関する質問が届いた

筆者は会計士資格もある不動産鑑定士であり、日々、不動産鑑定ばかりしているため、仲間の会計士たちから、会計に絡む不動産に関する質問が届く。

そんな中、最近こういう質問があった。聞けば、その会計士は、ある不動産鑑定士に鑑定の依頼をし、不動産の鑑定評価額を出したのだが、どうやらその不動産は法人所有であったらしいのだ。しかも、その法人は会計帳簿が整備されていなかったので、依頼した不動産鑑定士に「その鑑定評価額を会計帳簿に反映したいのだがどうしたらよいのか?」と問うたところ、的外れな回答が返ってきたのだそうだ。

不動産鑑定士に帳簿の相談をしても無駄

筆者は大人なので「そもそもそういう案件は、不動産鑑定士である筆者に依頼してね」という本質的な指摘はとりあえずスルーしたが、お困りのようだったし、普段からお世話になっている方だったのでこう答えた。

「そもそも会計士資格または税理士資格のない単なる不動産鑑定士は会計を知らない。簿記を学んでいないので、帳簿がどういうものかすらわからない。そんな人に会計帳簿への反映の仕方を聞いても無駄ですよ」
きつ~い一言かもしれないが、これは事実である。

その上で、電話で説明を受けた限りの前提での一般論として、更に下記の通り答えた。

「まず、その不動産は収益物件なので、おそらく鑑定評価額はその不動産の儲けを還元利回りで割り戻した収益価格がそのまま鑑定評価額となっているか、あるいは収益価格を重視しつつも多少は土地価格+建物価格で試算される積算価格に近付けて、鑑定評価額を決定していると思われる。」

少なくとも単純に土地価格+建物価格の積算価格が鑑定評価額ではないはずだ。実は、このような収益価格が影響して鑑定評価額が決定されている場合、別だての鑑定評価を依頼しない限りは安易に鑑定評価額を土地価格と建物価格に按分(あんぶん)する事は不動産鑑定士協会の指示で制限されているのだ。従って、この場合、不動産鑑定士は鑑定評価額の内訳を土地部分いくら、建物部分いくらと安易に按分する事はできない。

鑑定評価額を土地部分と建物部分に按分したい場合は?

鑑定評価額を土地部分と建物部分に按分したい場合、現実的にはそれしかないであろうという事であえていうと、鑑定評価額を把握した会計主体の側で、不動産鑑定士の責任の範囲外で「勝手に」按分して土地価格と建物価格を計上するしかないと思われる。

その上で、現実の建物の内容を分析するのだが、例えば建物の中にあるエアコン等、明らかに別勘定で帳簿に反映できると思われるものは、それそのものを単体で固定資産台帳に反映する一方で、建物価格から控除し、最後に残った部分だけを建物に計上する事が、特にデューデリジェンスを行う場合の一つの考え方ではないかと思う。

勿論、これは筆者が電話で質問されて、それに回答した内容に過ぎず、詳細は知らないし、あるいは他の法人等では別のやり方があるのかもしれない。ただ、筆者が述べた方法も全くセンスのない方法ではないと考えられる。何らかの参考にして頂けたら幸いだ。

(文/冨田建 公認会計士・不動産鑑定士、記事提供/株式会社エスタイル)

カイケイ・ファン ナビゲーターによるコメント

カイケイ・ファンナビゲーター 高橋 良輔(MS-japanコンサルタント)

カイケイ・ファンナビゲーター
(MS-japanコンサルタント)
高橋 良輔

一般の消費者からすれば、公認会計士や税理士、不動産鑑定士、司法書士などの方々に対して「どのような時にどのような資格者に相談すべきか」いまいち良く分からないものだと思います。
今回は不動産鑑定士に帳簿の話をしてもお門違いではないかという内容でしたが、似たような事象は士業の世界では良くある事だと思います。
資格者=職人というイメージが未だに根強いですが、今後は自身の専門性追求に加えどのように営業範囲外の資格者と協力していくかも、会計人にとっての課題となりそうですね。

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