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【会計士Xの裏帳簿】1月から本格化する 中小企業の決算サポート

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1月は、多くの会社にとって3月の決算結果へ向けたラストスパートの四半期。そしてこの時期、税理士の多くが業務として取り組んでいるのが、クライアント企業の決算に備えた対策です。

黒字化or節税、適切にアドバイス

中小企業の経営者は、決算について「外部への情報開示のため」という目的意識が希薄です。これは、非公開企業においては仕方のないところでもあります。しかし、外部からの目を気にせず「過去の数字」を記録するためだけに行う決算は危険が伴います。

金融機関からの融資を受ける際、赤字決算は圧倒的に不利です。どうがんばっても黒字にならない状況であればともかく、「数字を出してみたらギリギリ赤字だった」というのは悔やまれます。そういう残念な状況を避けるために、黒字決算へ向けた対策が必要なのです。

もちろん3ヶ月で売上を急上昇させるのは難しいことです。しかし、黒字のために必要な額がはっきりしていれば、「期末セール」などで利益を出すことも、業種によっては可能です。また、資産の売却、資産計上できる費用の洗い出し、来期への支出の先延ばしなども検討できるでしょう。

一方、黒字決算が予測される会社が検討するのが節税です。この場合は、備品の購入や決算賞与の支給、生命保険の加入等、黒字化とは逆に、損金を増やすための手を打つことになります。

大切なことは、黒字化と節税、どちらを行うかの見極めです。せっせと法人税の節税対策をしたものの、実はもとより赤字だった、ということでは目も当てられません。利益予測を早く、正確に行った上で、対策を実施する時間を十分にとる必要があります。その意味で、期末の3ヶ月はちょうどいいタイミングといえます。

セカンドオピニオン業務に可能性も

税理士は、会社の数字を月次決算等でタイムリーに見ることができる存在です。経営者に、損益やキャッシュフローに関する現状、前年同月比などから計算した利益予測について説明し、社長とじっくりと話し合った上で、具体的方策を提案することが求められます。

税理士であれば会計的な知識は共通してもっているでしょうが、決算対策となると、答えは一つではありません。支出を来年度に回すことや、資産を処分することが有利か否かは、会計の問題だけではなく、将来展望を伴う経営判断となります。また、保険を使った節税スキーム等を積極的に勧めるべきかといった考えも、税理士によって異なるでしょう。最終的に実施を決めるのは経営者ですが、税理士の説明が判断に大きく影響することは間違いないところです。

答えが一様ではないことは、業務としての困難性を示していることは確かです。しかし同時に、決算対策は、税理士によって差が出にくい記帳代行や申告業務とは別に独立とした業務として成り立ちうることも意味します。すでに顧問税理士がいる会社への「セカンドオピニオン業務」としての可能性も見据えながら、この3ヶ月間、顧客ニーズを探ってみるとよいかもしれません。

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