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【会計士Xの裏帳簿】国外財産調書制度スタート 悩み多い「ボーダー上」の資産家

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2014年は4月の消費増税等、税制が大きく変わる年ですが、すでに1月から運用がスタートしている重要な新制度があります。それは、24年度の税制改正で決定した「国外財産調書制度」です。

同制度は、12月31日の時点で国外に5,000万円を超える財産を所有している人は、税務署に国外財産の種類、数量、価額等を、翌年3月15日(今年は17日)までに申告しなくてはならない、というものです。

時価と為替で変わる提出義務者

この制度のやっかいなところは、自分に調書の提出義務があるかどうかがわかりにくいこと。海外の財産には現預金の他、株式・債券、不動産など様々なものがあります。財産の評価額は原則として12月31日時点の「時価」によるため、とくに不動産や有価証券は値動きに注意しなくてはなりません。

また、国外の財産の評価は為替の影響も受けます。国外通貨の邦貨換算は、取引金融機関が公表する12月31日における最終の為替相場によります。現在は円安基調にありますので、外貨で表示される財産が高く評価されやすくなることも気をつけたいところです。

相続税申告のように、財産額によって申告義務者となるか否かが決まる制度はほかにもあります。しかし、相続財産であれば、被相続人の死亡という大きなきっかけがあり、財産の額はその時点で一度きり計算すればよいものです。一方、国外財産の所有は継続的。同じ財産内容でも、年によって調書提出義務の有無が変わることも十分に考えられます。

「念のため」の提出は是か非か

国外財産調書の不提出には罰則規定もあります。正当な理由がなく提出期限内に提出しなかった場合や、偽りの記載をして提出した場合には、1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処されるとされています。

ただし、罰則については、平成27年以後に提出すべき調書についての適用。制度の周知期間として猶予を設けたのでしょう。また、それ以降も期限後の提出については情状により刑を免除することができるとされています。5,000万円のボーダーライン上にある人が、当局の指導を受けて期限後に提出した場合に、すぐに罰則が適用されるとは考えにくいでしょう。

しかし、罰則の運用がどうなるかはともかく、国外財産調書が未提出の場合、脱税の疑いがなくても税務署の調査対象となり得ることには注意が必要です。国外財産を利用した脱税の防止は国税最大のテーマの一つだけに、同制度への期待は高いと思います。言葉は悪いですが、制度の周知を狙った「見せしめ」的な調査が行われる可能性も否定できません。

資産家の中には、5,000万円に到達しているかが微妙な場合でも、念のために調書を提出しておくという動きも見られるようです。しかし、一度調書が提出されれば、来年以降当局から提出の有無とその内容について強く着目されることは想像に難くありません。税理士も、ボーダーラインにある人の調書作成についてアドバイスする際には慎重を要するところです。

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