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【コラム】守秘義務を「法令があるから」という理由だけで守っていますか?

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年末、裏原宿での出来事……

忘年会シーズン、筆者は多くの宴会に参加していたが、ある日、懇意の行政書士主催の忘年会のお誘いを受け、参加した。
仲間の弁護士や公認会計士、司法書士等や一般企業の方が大勢いらしていたが、そこに知り合いの5歳年下の主催者の後輩にあたる行政書士がいた。
そして宴会も煮詰まった頃、ふと見ると、誰かの業務資料と思われる登記簿謄本が一枚落ちている。
筆者は怒鳴った。
「誰か登記簿謄本を落としているけど、誰の?」
落としていたのは、その5歳年下の行政書士であった。

注意しながら気がついたこと

筆者は、思わず「ダメじゃないか。こんな大事なものを落としたりしたら」と注意した。
その時、筆者の頭の中には、2つの思いが去来していた。
一つは言うまでもなく、落とした資料が出回り守秘義務違反になったら処分事由になりかねないので、自分も含め注意せねばならないということ。これは誰でも感じるだろう。
では、もう一つは何かというと、そんなミスで顧客に迷惑をかけてはならないということだ。
つまり、守秘義務は法令で規定されているから当然、遵守する必要がある。
ただ、仮にそれがなかったとしても、安易な情報流出は「顧客に迷惑をかけてはならないので、許可を得ない限りすべきではない」と考える道理が本来と筆者は感じたのだ。
そしてこの思考は、守秘義務に限った話ではない。あらゆる行為において「法令で規定されているから守る」という思考だけではなく「顧客に迷惑をかけてはならないから自発的に行動を規制する、もしくは行動する」ということこそが、これからの公認会計士や税理士を含む士業に必要な思考だと思う。
ちなみに、この思考は筆者自身、監査法人に勤務していた10年ほど前は十分ではなかった。
お世話になった監査法人には感謝しているが、あの頃は正直な所、監査業務が直接的な受益者(投資家等)と報酬提供者(被監査企業)が一致しないこともあり、筆者自身の反省として顧客本位という思考が抜けていたと思う。 同様に、これから転職等を希望される方の中には、このような思考に気づいていなかった方もおられるのではないであろうか。
読者の皆様にも、顧客本位が身についているか、胸に手を当てて頂ければと思う。

余談~その行政書士は、こう言った。

筆者としては至って普通の口調で注意したつもりだったが、件の行政書士は叱られているように感じたらしい。もっとも、筆者の側にその行政書士への嫌悪感は全くない。むしろ仲間だと思っている。
ただ、そこもその賢明な行政書士はわかってくれていたようだ。元々フレンドリーな性格ということもあり、実に明るい口調で「冨田さん、有難うございます。そういうことを言ってくれる人、有難いっす。でも、酒を飲んでいる時以外の本来の冨田さんの真摯さを見た気もしました。」と言っていた。
このような注意は、注意した側に所得が生じるものでもないこともあり、特に士業の世界では遠慮もあって口にしにくいのかなとも思う。たまたま筆者の場合はこのコラムでお伝えする機会を頂いたので、皆様にもお役にたてればと思い書かせて頂いた。何かの指針になれば幸いである。

(文/冨田建 公認会計士・不動産鑑定士、記事提供/株式会社エスタイル)

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