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【コラム】 クラウドファンディングと税金の話

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2014年3月28日掲載

震災復興で注目のクラウドファンディング

東日本大震災から3年が経過した。筆者は、津波で甚大な被害が出た地域を直接歩く機会がなかなかなかったのだが、昨年暮れ、岩手県大槌町を視察する機会を得た。震災前に約1万5千人が住んでいた地域で、1千2百人を超える方々が亡くなった。津波に飲みこまれた旧町役場を訪れると、まるで空爆を受けた建物のような損傷。被害のすさまじさと、当時の町長・職員ら33人の尊い犠牲者を思うと、手を合わさずにはいられなかった。

被災地支援はこれからが本番だと思うが、震災直後から新しいお金の集め方として注目されたのがクラウドファンディングだ。これはインターネットを使って、不特定多数の人たちから資金を募るネットサービスのこと(クラウドは「大衆」、ファンディングは「財政的支援」の意味)。日本は欧米に比べて、寄付文化がないといわれてきたが、ソーシャルメディアの普及と震災を機に公益目的の寄付への関心が高まり、利用者が急増。それと同時に提供サイトも存在感を高めている。

筆者も都知事選で“体験”

市民ユニット「パブリック・キュレーションズ」の調査によると、クラウドファンディングの災害復興関連での利用が49%ともっとも多く、人道支援や貧困などの公益目的から、ベンチャー起業への投資やクリエイター支援などのビジネス的な内容でも活用されている。そうした目的に合わせて、リターンを求めない「寄付型」、物品等の販売形式を取る「購入型」、金銭的なリターンを目的にした「投資型」に分類されているのが現状だ。

最近では「お金のない若者でも政治の世界にチャレンジできる」として、選挙資金集めとして利用されていることでも注目されている。筆者は、都知事選において「家入一真」氏の選挙対策スタッフを務めたが、彼はクラウドファンディングの運営会社を起業した経験を生かし、このサービス利用して、自身の供託金(300万円)や、事務所等の賃料などを支援金でまかなった。選挙期間中での本格活用は、日本では初めての試みで、6日間で500万円を目標に掲げたところ、たちまちのうちにその金額を超え、最終的には約740万円を集めることに成功した。ただ、公職選挙法上、思わぬリスクがあることも考え「寄付型」で集めるのは見送り、グッズや講演料などで対価性を持たせる「購入型」でのオペレーションにした。お金を払う側の立場になれば、メリットが分かりやすいほうが “寄付”しやすいので、今回は結果的にこれで良かったと思う。

税理士にとってもサポートの余地

さてクラウドファンディングを使ってお金を集めると、税金の扱いが気になるところ。これは寄付か商取引かで課税の仕組みは変わってくる。

個人が利用した場合に絞ってみよう。個人同士が寄付としてやり取りした場合にかかるのは贈与税。ただし110万円までが基礎控除となる。個人単位でこの額を超える案件はめったにないのが実情だが、法人を設立していない著名人なら個人でも十分可能性はあるし、先述したように今後の選挙では、資金集めでドカッと集めてしまう立候補予定者も現れる可能性がある。しかし、贈与税適用分については事業に使うのは目的外に当たるのでNG。購入型の場合は事業所得に当たるので、所得税になる。前述の家入氏の場合は、政治団体「インターネッ党」のTシャツや、開票日のイベント入場券(5百円)等を販売していたのでこちらのケースに当たる。

選挙関連でいえば、都知事選のあと、家入氏に刺激されたようにクラウドファンディングでお金を集める候補者も出てきた。今後、さまざまなジャンルで活用する事例が増えてくるのはまちがいない。なかには普段確定申告の経験がない会社員などが公益目的で利用することもあるだろう。そうなると、当然、税理士サイドとしてはサポートできる余地は大きい。そのためにも、クラウドファンディング周りの課税状況を整理して、スポット的に顧問できるようにしておくといいだろう。

(文/新田哲史=コラムニスト、記事提供/株式会社エスタイル)

カイケイ・ファン ナビゲーターによるコメント

カイケイ・ファンナビゲーター 圓鍔 忍(MS-japanコンサルタント)

カイケイ・ファンナビゲーター
(MS-japanコンサルタント)
圓鍔 忍

「特定の目的・志を基に組成された、人々や組織に対して資金を集める行為・サービス」という定義から察する事が出来る通り、ジャンルを特化したクラウドファンディングサイトも多数登場しています。

このように日本市場の拡大が期待されている中、税制度との付き合い方がクラウドファンディング達成可否にも影響してくる事が分かります。

税制面のサポート体制強化により、今後益々のシステム活用、ビジネスチャンス拡大が期待出来るのではないでしょうか。

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