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【コラム】Jリーグのアジア戦略を国がアシストする背景

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2014年7月8日掲載

【コラム】Jリーグのアジア戦略を国がアシストする背景

Jリーグがクールジャパン戦略に

この原稿が掲載される頃にはサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会の優勝チームが決まっているだろうか。6月に入り、サッカー熱が高まる中で、経済産業省が実にタイムリーな取り組みを発表したのをご存じだろうか。時節柄もあって、日経新聞もサッカーネタに経済が絡めば、夕刊とはいえ珍しく一面で書いてくる。

“「Jリーグのアジア進出支援 クールジャパンで経産省」
経済産業省はサッカーのJリーグのアジア進出を支援する。日本のポップカルチャーなどを海外に売り込むクールジャパン戦略の一環。柏レイソルなど3つのクラブチームがインドネシアやタイで今夏から展開するサッカー教室などの事業に補助金を出し、関連グッズの販売促進にもつなげる。ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の開催に合わせ、Jリーグのブランドでアジアの新たな商機をつかむ。(2014年6月6日 日経夕刊)”

Jリーグが近年アジアを目指した理由

経産省とサッカー界のゆかりは通産省時代からの伝統だ。1993年のJリーグ創設に当たっては、通産官僚だった平田竹男氏(後のサッカー協会専務理事、現内閣官房参与)が、川淵三郎氏をアシストし、プロリーグ創設を推進した。2002年日韓W杯開催も、国の立場から尽力した。もともと通産省官僚は、政治家や実業家に転身する「イノベーター志向」の人間も多い。Jリーグ誕生前は、プロ野球のようにチーム名に親会社を入れるのが当たり前だった時代に、「横浜マリノス」「浦和レッズ」というようにクラブの名称には企業名を外し、地域名を盛り込むなど、徹底したホームタウン志向で、全く違う世界を作り上げた。

しかし発足から20年が経ち、Jリーグも例外なく日本市場の縮小に直面している。クラブは順調に増え、今やリーグも3部制にまで拡大してきたが、国内人口の減少は不可避であり、国内市場だけを相手にしている現状のままでは先行きが厳しい。そこで近年、Jリーグの若いスタッフらが中心にアジア進出プロジェクトに乗り出した。中東や東南アジアにJリーグの試合の放送地域を拡大。またタイやベトナム、ミャンマーのサッカー界と協定してプロリーグ運営、選手・指導者・審判の育成といったノウハウなどを提供してきた。

会計人が注目すべき「国策」になった理由

タイやベトナムはW杯出場こそ手が届いていないが、サッカー熱は高い。すでにイングランドのプレミアリーグ等の欧州勢はテレビ放映で先行している。しかし後発の日本ならではの強みでJリーグは対抗している。筆者の友人でもあるアジア戦略の担当者によると、①日本サッカーは一昔前まで弱く歴史が浅い②アジアにいること――が「強み」になるという。特に①については、アジアの人からみれば、「なぜ日本は急に強くなったのか」と興味深くみていて、選手強化等の技術移転の交渉がスムーズに進みやすい。

しかし、単にJリーグのみの「成長戦略」であれば、国がわざわざ後押ししてクールジャパン戦略に組み込む必要はない。実はJリーグ側は、自分たちサッカー界だけでなく、日本経済の成長と連動させる壮大な構想を描いているからこそ、経産省が支援するのだ。ミニマムな経済効果としては、ベトナムやインドネシアの代表選手もJクラブに入団し、母国から観光客が日本各地に観戦に訪れるなどがあるが、むしろ注目したいのは進出先だ。各国のクラブのオーナーは大富豪や大企業の経営者など有力者が多く、彼らはその土地の産業のキーパーソンでもある。サッカーを通じてビジネス上のつながりも深められるのだ。だから、たとえばセレッソ大阪の親会社ヤンマーが農機の販路拡大につなげやすくなるような動きが期待されるのだ。

会計士や税理士のクライアントにも、アジア戦略を課題にしている企業は多い。Jリーグのクラブは地域密着が柱なので、営業担当者が細目に地元を回っているので関係性が築きやすい。地元クラブとの関係を密にして、一緒にベトナムやミャンマー、インドネシア等に乗り出すということもひとつの選択肢になっているのだ。クールジャパン戦略を利活用する視点は、あってもいい。

(文/新田哲史=コラムニスト、記事提供/株式会社エスタイル)

カイケイ・ファン ナビゲーターによるコメント

カイケイ・ファンナビゲーター 中園 隼人(MS-japanコンサルタント)

カイケイ・ファンナビゲーター
(MS-japanコンサルタント)
中園 隼人

今回のワールドカップについては、日本は残念な結果となってしまいましたが、 観戦していて改めて感じたことは、スポーツには人を巻き込み、動かす力があるということでした。
今回のJリーグのアジア進出についても、一定以上の効果は期待出来るかも知れません。
スポーツを通じて、言語や国境を越え、アジア全体の一体感が、少しでも増していくことを期待したいと思います。

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