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【会計士Xの裏帳簿】路線価への「疑い」が相続コンサルへのニーズを生み出す

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2014年7月30日掲載

国税庁が7月1日に発表した路線価は、全国約33万9000地点の平均で前年比0.7%下落し、6年連続でマイナス。ただし、大都市圏では上昇傾向が顕著となり、特に東京はオリンピック開催決定も影響したのか、軒並み上昇しました。

デフレ脱却のバロメーターとして注目される路線価ですが、その目的はいうまでもなく相続税・贈与税の計算。資産家の方々にとって、資産価値の上昇そのものは良いニュースでも、相続を考えると、売却予定のない不動産の路線価が上昇することは戦々恐々でしょう。

相続税のアドバイスをどうするか、悩む税理士

最近、相続関連のコンサルを行う税理士から「不動産価格上昇に備えて生前対策を」といった売り文句がよく聞かれます。とくに去年は、路線価が1月1日時点のデータで決められるためアベノミクスによる値動きが反映されていないことから、「今がチャンス」という意味合いが強くありました。

この言葉が今年も有効であるか否かは微妙です。これから不動産価格が上がるかどうかは未知数。今年も下落率は縮小したものの全国平均はマイナスです。二極化の傾向も見られ、大都市での上昇は、バブルとまでは言えないでしょうが金融緩和による余剰マネーの影響があると考えられます。

セールストークとしてはともかく、一概に「路線価がこれから上がる(下がる)」といったことを前提とした説明がしにくい状況であると言えるでしょう。

路線価は税理士にとって便利な存在

高齢化と相続税制改正による課税ベースの拡大で、税理士業界で「これからは相続業務が伸びる」と頻繁に聞かれるようになりましたが、資産税が苦手という税理士は多いもの。この苦手意識は、財産評価に自信を持てないことを原因とするものが多いような気がします。

その点で、路線価は税理士にとってありがたいものです。路線価はあくまで行政通達ですから、法的な拘束力はありません。原則的に、財産の評価額は相続開始時の「時価」によります。なぜ路線価が広く使われるかというと、公示価格の8割程度に定められる路線価で計算するほうが、結局税金が安くなることがほとんどだからです。

不動産の価格は上下するのが当然ですが、路線価という「静的」な数字があることで、経験に乏しい税理士も「土地の評価は路線価か評価倍率による」ととりあえずの説明が可能になります。

それでも、「時価」は動いている

しかし、路線価は個々の土地の形状等、マイナスの事情が反映されていないため、単純な計算を行うと相続税額が高くなってしまうこともあります。それに加え、土地の値動きが激しい状況であると、路線価による計算の精度はさらに下がってしまうでしょう。

実際に評価額が低くなるかは別として、今後、税理士の路線価による土地評価に対し「本当かな?」と疑問に感じる納税者の方は増えるのではないかと予想できます。それにより、現在業界のトレンドとなっている「セカンドオピニオン」的なコンサル需要も増えるのではないでしょうか。

無数にある不動産の価格を、当局が全て把握することは不可能です。そして、不動産価格は、本来生き物です。相続業務に力を入れていこうと考える税理士は、不動産の評価について、場合によって行政に強く主張することができるよう、突っ込んだ研究を行うことが避けて通れないのだと感じます。

(記事提供/株式会社エスタイル)

カイケイ・ファン ナビゲーターによるコメント

カイケイ・ファンナビゲーター 高橋 良輔(MS-japanコンサルタント)

カイケイ・ファンナビゲーター
(MS-japanコンサルタント)
武田 温

相続関連のセカンドオピニオンサービスはこの数年でメジャーになってきていま すね。某国内大手の税理士法人は、サービス普及を目指し広告戦略にも着手をし ているようです。

一方で、大手ではない個人事務所となると状況は異なります。
莫大な資金がある訳でもなければノウハウもない…
そうなってしまえば淘汰されてしまうでしょう。

どのように「稼ぐ力」を養っていくかが、これから会計事務所にとっての課題と なりますね。

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