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会計業界は年俸制と月給制、どちらが良い?

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会計業界は年俸制と月給制、どちらが良い?

士業の世界では転職すると年俸制になるケースが多く、転職時のオファーは年俸制だったという方が多数派ではないかと思います。ですが、果たしてこの年俸制は会計人の皆様にとって良い制度なのでしょうか?
今回の会計トピックスでは、士業における「月給制」と「年俸制」の違いや、各制度を導入している会計事務所の特徴について触れて見たいと思います。

月給制と年俸制の違い

月給制…月給制とは雇用条件で定められた月額給料を毎月支払い、残業代は別途支払いをするという給与制度です。また、賞与を支給する場合は月給の●ヶ月分を支給という契約の下、賞与の支払いがあります。このような月給制の場合は、残業が生じた際には別途残業手当が支給されますが、前提としてあまり残業が生じない環境であることが多いようです。

年俸制…年俸制とは、残業代や賞与を含めて一年間で●●万円という契約の下、給料が支払われる給与制度です。年俸制を導入している会計事務所の特徴としては、コンサルティング案件などの特殊案件当の比率が高い傾向にあり、一定量の残業が生じることを前提としています。その代りに年俸額をある程度高い水準で設定することが多い傾向にあります。

給与体系が月給制の会計事務所の特徴

月給制を導入している会計事務所の多くは、前提としてあまり残業が生じない傾向にあります。このような会計事務所の特徴としては、中小零細企業や個人事業主の記帳代行や決算業務、税務申告業務などの基礎的なサービスを中心としており、多くの残業が生じるようなコンサルティング系の案件や、ボリュームの重たい大企業向けの税務顧問業務は行っていない(または積極的には受託をしていない)傾向にあります。
毎月ある程度想定された仕事を対応することがメインであり、特殊案件に関しては所長やベテラン職員が適宜対応するというケースが多いようです。

給与体系が年俸制の会計事務所の特徴

年俸制を導入している会計事務所の多くは、一般的な中小企業や個人事業主の記帳代行、決算業務、各種税務申告書の作成も行ってはいますが、それ以外に上場企業やグループ企業、規模の大きなオーナー企業などの税務顧問契約を一定数抱えていたり、相続や事業承継、組織再編や連結納税などのボリュームが重たいコンサルティング案件を受託したりするケースが多い傾向にあります。(また、上記全ての業務を受託している会計事務所も存在します)
いずれにしても、年俸制を導入している会計事務所は、一定量の残業が生じることを前提としているケースのほうが多数派のようです。

年俸制と月給制、どちらが良い制度なのか?

上記では各給与制度について解説をしましたが、「では、一体どちらの制度の方が良いのか?」という意見も聞こえてきそうです。
正直なところ、どちらの制度が優れているという判断は難しいものです。残業が少ない会計事務所を確実に選ぶのであれば、相対的に月給制を導入している事務所のほうが良いかと思います。しかし、高度な税務処理やコンサルティング案件に挑戦したいという方には、月給制の会計事務所は志向にマッチしていない可能性があります。
要するに、あなたがどのようなキャリアを望むかで“選ぶべき事務所”が違ってくるのです。結果的として、導入している給与制度も異なるということを心得ておく必要があります。


転職する際に、「新しい職場は年俸制で、残業代も出なくなってしまった。」と主張する方がいるかも知れませんが、その分、今まで経験できなかったハイレベルの仕事に携わることは出来るのであれば状況が悪化したとは言えないでしょう。
また「月給制になってから、年収水準は下がってしまった。」と主張する方もいるかと思いますが、その分、以前よりも残業時間が減ることで生活スタイルは安定していく可能性もあります。
あなたが目指すワークスタイル、キャリアイメージに合っている会計事務所を選ぶためにも、今回の給料制度に関するトピックスを参考にして頂ければと思います。

(文/シニアコンサルタント)

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