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【会計士Xの裏帳簿】相続業務のキーワード「終活」にどう関わるか?

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【会計士Xの裏帳簿】相続業務のキーワード「終活」にどう関わるか?

高齢化により相続業務への注目が高まっていますが、相続の事前対策についての話題で、最近頻繁に聞かれるようになった言葉があります。人生の終わりに向けた準備・対策を意味する「終活」です。
2012年の流行語大賞トップ10にノミネートされるなど、この言葉の認知度は非常に高くなっています。

「争族」「終活」… 相続分野に新語が多い理由

相続分野では、よく新語が発明されます。
少し前に流行した言葉として、相続人の間で激しい遺産分割争いが起こる状態を意味する「争続(争族)」がありました。

両方ダジャレであるということは横に置いておいて、終活と争族という言葉には同じ匂いを感じます。というのも、これが相続関連業務の集客のための「キャッチコピー」として便利であるという共通点があるからです。

税理士の皆様の中にも「争族を避けるために事前対策を」といった売り文句を使ったことがある方がいるのではないでしょうか。相続に関する新語が開発されるのは、高齢化による相続関連業務の需要の高まりにより、便利なキャッチコピーが必要となったからだとも考えられます。

「終活」のコピーとしての力は「争族」よりも強そうです。
争族という言葉を集客に使えるのは、遺産分割に直接関わる弁護士や税理士が中心。しかし、終活はより広い射程を持ちます。
士業者だけではなく、保険会社、寺院や葬儀社、石材店、老後を豊かに過ごすための資産管理会社、旅行代理店などなど、高齢者向けのリテール事業を行う様々な会社が利用することができます。

現在、終活をキーワードとして、多様な事業者がアライアンスを組んで、相乗効果を挙げる試みを行っています。各企業が協力して終活ポータルサイトを作成したり、各分野の専門家が講師となるセミナー、商品の展示会を行ったりする組織が立ち上げられています。
税理士がそのような組織と協力関係を結んでいる事例も多く見られるようになりました。

税理士として他企業との連携のありかたを考えよう

終活事業を行う組織にとって、税理士はぜひ参加してもらいたい専門家でしょう。
はっきり言えば、税理士の「肩書き」が欲しいはずです。名前と顔写真付きで広告やポータルサイトに登場することで、そういった組織の信頼性は高まると考えられます。

しかし、税理士としてそういった事業に参画するとき、どこまでコミットするかには迷いがあるものです。保険代理業を行う税理士と行わない税理士がはっきり分かれるように、特定の事業者の「色がつく」ことを避けたいと考える税理士は多いようです。

組織に深く関わることで、他事業者からストレートに税理士業務の顧客紹介を受けられることも考えられますが、そういった形の参加をすると、ありていに言って「めんどくさい」ことも多そう。
サイト等で不特定多数の人にアピールはせず、BtoBのみで協力関係を築くやり方にとどめるのも一つの手でしょう。

どういった手段で関わるにせよ、終活をキーワードとした集客は税理士にとってのビジネスチャンス。高齢者向けのサービスを行う事業者との連携によって、大きなステップアップが期待できることは間違いありません。
いまいちど、税理士としての立ち位置を考えながら、「終活需要」の取り込み方を検討する必要がありそうです。

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