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高齢化した税理士業界を中年税理士が救う!?

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高齢化した税理士業界は中年税理士が救う!?

今や60歳以上の税理士が5割以上を占める、税理士業界。この高齢化が進む税理士業界の課題は間違いなく“次世代の人材確保”でしょう。日本税理士会連合会の最新調査(※)によると、20代の税理士は全体の0.6%しかいないというデータが公表されています。また、20代に限らず会計実務の即戦力人材も近年では一般企業へ転職するケースが増えており、如何に良い人材を税理士業界で定着させるかが議論されている状態です。そこで、今回の会計トピックスでは、高齢化が進む税理士業界の存続を左右する世代交代について考えてみたいと思います。
(※第6回税理士実態調査)

税理士業界、こんなにも高齢化!

日本税理士会連合会が実施した第6回税理士実態調査では、全国の税理士74,873人(平成27年4月)の中で「60代以上」の税理士が全体の5割強を占めるという結果が出たようです。ちなみに60代の税理士は全体の30.1%、70代の税理士は13.3%、80代の税理士においては全体の10.4%となっており、改めて税理士業界の高齢化問題が浮き彫りになりました。

【グラフ1:税理士の年代別分布】

税理士の年代別分布

上記のデータによると、60代以上の税理士は全体の53.8%となっていますので、全国の税理士74,873人中40,281名が60代以上という事になります。また、60代以上の高齢税理士が引退し始めるまでに最低でも5~10年程の年月がかかることが考えられますが、それまでに次世代の税理士が事業を承継していかなければ、多くの税理士が廃業をせざるを得なくなります。

これから脚光を浴びるのは中年の税理士?

税理士業界において“承継問題”は大きな課題となっていますが、この高齢化した税理士業界を今後引っ張っていけるのは誰でしょうか? その解は中年世代にあると考えています。何故ならば、高齢税理士の顧問先も高齢化している可能性が高く、あまりに若い世代だと顧客との“世代間のギャップ”が大きすぎる為、結果として若年層ではなく中年層の税理士に将来を託すことになると思うからです。 つまり、今後の税理士業界を担う層は40~50代、中年の税理士ということになります。 では、上記のような中年の税理士は全体の何%程いるのでしょうか?

先ほどの税理士年代別分布データに戻ってみましょう。40代の税理士は全体の17.1%、50代の税理士は全体の17.8%となっていますので中年税理士は全体の34.9%存在することになります。全国の税理士74,873名に対する34.9%は26,130名という数値になりますので、後継者候補となり得る人材は約26,000名存在することになります。
つまり、高齢税理士(約40,000名)-中年税理士(約26,000名)=約14,000名で、単純計算にはなりますが全国で約14,000名の税理士が後継者候補として不足しているということになります。

税理士事務所後継者不足

但し、上記はあくまで数の論理、数値上の話です。実際には高齢税理士の事務所自体が統合して法人化するケースや次世代に承継せずに廃業する事務所等、ある程度の自然減はあるでしょう。つまり承継が不要というケースも一定数は想定されます。そう考えれば、事務所承継をするために必要な税理士人数は、上記数値よりも少なくて済むと考えられます。

【図1:高齢税理士事務所の継承4パターン】

高齢税理士事務所承継パターン

上記の図1のように、高齢税理士事務所の承継パターンは大きく分けて4つあります。
高齢税理士事務所のうち、承継問題に苦しむ可能性があるのは、現在「後継者募集中」の事務所です。
「承継せず廃業」の道を選択する事務所もあり、全ての高齢税理士が承継を希望している訳ではないですが、若い税理士が年々減少していることから今後も後継者の採用は難航することでしょう。
ですが、40~50代の意欲ある中年税理士が高齢事務所の承継に取り組めば、税理士業界の若返りは実現が可能かもしれません。これからは中年の時代、彼らの活躍・奮闘に期待が集まります。

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(文/シニアコンサルタント)

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