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【コラム】株主がCEO報酬に物申す? 米国証券取引委員会の新ルールとは

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【コラム】株主がCEO報酬に物申す? 米国証券取引委員会の新ルールとは

8月5日、米国証券取引委員会(SEC)は、2017年以降の会計年度よりCEO報酬と従業員の平均的給与の比率開示を義務づける新しい規則を承認しました。

1990年には従業員給与とCEO報酬の差は約100倍でしたが、去年の米国主要企業のCEOの年間平均報酬は1,350万ドル(約17億円)で、一般従業員の給与は約3万6,000ドル(約450万円)と、その格差は375倍にまでのぼっています。今回の新しい規則の承認で、経営資源が適切に配分されているか、そしてCEO報酬支払いにゴーサインを出すか否か、株主への判断材料の提供となると期待されています。

それでは、新規則の具体的なルールと、日本の格差の現状、そして今後の動向についても見て行きたいと思います。

「ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法」とは

ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法(ドッド=フランク法)は、2000年代後半の不況を経て、リーマンショック後の2010年7月に成立しました。大きく分けて、以下4つの目的を掲げています。

1.金融システムにおける説明責任および透明性を改善することにより、合衆国の金融安定を推進する
2.「大き過ぎてつぶせない」を終わらせる
3.企業への財政援助を終わらせることにより、アメリカの納税者を保護する
4.濫用的金融サービス実務から消費者を保護する

2002年に制定されたSOX法で、企業の多額の費用負担が問題点として挙げられたことから、今回のCEO報酬と従業員の平均的給与の比率開示義務付けにあたり、企業側に計算方法の裁量を与えています。例えば従業員の平均的給与の計算は、統計的サンプリング法などを用いた合理的な方法が可能だったり、また計算は3年に1度でも可としたり、計算実行日は会計年度末より3ヶ月以内ならどこでも可とすることなどが認められています。

また、米国外の従業員で、プライバシー保護法などの規制により給与データ開示ができない場合、その分については些事による例外とみなすことも可能となっています。

対象企業は上場会社ですが、小規模企業、多数国同時開示制度適用企業、新興成長企業、登録投資会社などは対象外です。

日本における格差とその動向

日本でも、年1億円以上の役員報酬を得ている上場企業の役員は、有価証券報告書への開示義務がありますが、東京商工リサーチの調べによれば、2015年3月期の上場企業での開示企業数は211社(前年同期は191社)、そして該当の役員は411人(前年同期は361人)と、増加傾向にあることが分かりました。役員報酬総額においても、817億3,800万円(前年同期664億8,400万円)と22.9%の増加となりました。 また、同期の上場企業100社における、従業員平均給与と役員報酬平均の差は、28.8倍と、米国に比べれば格差は小さいものの、最近では外国人やプロの経営者がCEOに就任する日本企業も増えつつあり、確実に広がっていく傾向にあるという見方です。

今回の調査で、開示企業のうち、赤字や無配にもかかわらず役員報酬に1億円以上を支払った企業が赤字は11社、無配は6社ありました。今後も従業員給与との格差が拡大し、社会問題となっていけば、将来、日本版ドッド=フランク法が導入され、株主がCEOの報酬に物申すこともありうると思います。米国CEOの高額報酬が、目先の業績を重視し過ぎる経営姿勢を助長する、と批判の声が上がっていますが、日本でもそのような批判を耳にする日はそう遠くないかもしれません。

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