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【コラム】「税を考える週間」の歴史と、税務大学校の公開講座

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【コラム】「税を考える週間」の歴史と、税務大学校の公開講座

国税庁は毎年11月11〜17日を「税を考える週間」とし、国民に租税の意義や役割、税務行政に対する知識と理解を深めてもらうことを目的としてさまざまな啓発活動に取り組んでいます。また、国税庁の研修機関である税務大学校は「税を考える週間」に合わせ、毎年公開講座を開催しています。

公開講座では、1994(平成6)年の開講以来、毎年多数の方々が学び、普段税務に縁のない方々にも税について興味を持ってもらえるよう、初級編から上級編までバラエティに富んだ6講座を用意しています。

ここでは「税を考える週間」の歴史と、税務大学校が開催する公開講座の内容についてご紹介したいと思います。

「税を考える週間」の歴史

1947(昭和22)年に、日本で本格的に申告納税制度を導入したことに伴い、明治時代から長く続いた市町村徴収委託制度が廃止されました。これにより、税制が大きく変わった一方で、戦後の社会的混乱による経済破たんや納税意欲の低下のせいで滞納者が続出、税収が低下し国家は危機的な状況に陥りました。

そこで1948(昭和23)年、大蔵省内に緊急納税対策委員会を設置し、新聞・ラジオ・映画といったさまざまな媒体を使い納税宣伝が行われました。

1954(昭和29)年、この納税宣伝が「納税者の声を聞く月間」と定められたのを手始めに「納税者の声を聞く旬間」になり、「税を知る週間」、そして現在の「税を考える週間」と改称していきました。

以前の「税を知る」から、現在の「税を考える」へ変更したのは、税をただ「知る」というだけではなく、国民がより能動的に税の仕組みや目的を「考え」、国の基本となる税に対する理解を深めてもらうことを明確にするためです。

税務大学校のバラエティに富んだ公開講座とは

税務大学校はこれまでにも暮らしの中の税や、特定の税目の歴史、あるいはNISAなどといった、その時々の税務に関する注目トピックや、国際課税などを中心に講座を開催してきました。税務大学校の教授だけではなく、議題に精通した著名な大学教授も登壇しています。

そして今年は、普段、税についてあまり考える機会のない初心者を対象に、身近な「お酒」に注目し酒税法の沿革、お酒の商品知識や日本産のお酒の輸出促進への取り組みを題材にした講座「お酒に関するよもやま話 ―酒税法の沿革、お酒の商品知識、最近のトピックなど―」や、相続税のあらましなどを説明する講座「相続税のあらまし ―相続財産の評価を中心として―」が予定されています。

中級者向けには、家族形態の多様性に伴い、配偶者控除など各種控除の議論を展開していく講座「家族形態の多様性と所得税制 ―配偶者控除など各種控除の議論―」や、外国の有価証券に投資した時、また海外に移住する際に発生する税務などを取り扱った身近な国際課税についての講座「身近な国際課税 ―外国に関連する投資を中心に―」、マイナンバー制度を取り扱う講座「マイナンバー制度の概要と税務について」などがあります。

上級者向けには、企業のタックスコンプライアンス向上の方策としてその目的や内容、期待される効果について講義していくという、非常に専門性の高い講座「企業のタックスコンプライアンス向上のための方策 ―その目的、内容、期待される効果について―」が用意されています。

今年の公開講座は11月17〜19日の3日間、講座の受講料は無料ですが国税庁のホームページ上にて事前申し込みが必要となります(各講座、定員になり次第受付終了)。

ただ難点なのが、税務大学校が埼玉県和光市にあるので特定の地域の方しか参加できないというところです。

しかし、その道の最新の研究をしている大学教授の講演を聴ける機会はなかなかないのが現状です。今後、税務大学校の公開講座がより身近なところで受講できる機会が増えていってもらいたいものです。

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