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【コラム】監査法人の監査報酬は誰からもらっているのか? どのように決まるのか?

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2016年2月22日掲載

【コラム】監査法人の監査報酬は誰からもらっているのか? どのように決まるのか?

昨今は監査法人をめぐるニュースがメディアを賑わせております。

東芝の不正会計事件の際にも、「監査法人は被監査会社(この場合は東芝)から監査報酬をもらい、監査法人を運営しているのだから、被監査会社となれ合いになりやすく、不正を強く追及できるわけがない」という報道がなされました。

今回は監査法人にとって収入となる監査報酬について紹介していきましょう。

監査報酬は誰から支払われる?

結論から申し上げますと、監査法人の監査報酬は被監査会社から支払われます。そう言うと「えっ、決算書を監査するのに被監査会社から報酬が支払われるのは変ではないですか?」と疑問に思われる方がいます。

こういった疑問を解消するために、まずは監査の目的からお話をしていきましょう。
監査法人の「監査」の目的は、「企業の決算書が適正に表示されているか否か、意見を表明すること」です。

メディアの報道などでは、よく「監査法人は不正を追及し、暴くのが目的のはず」という趣旨の報道をよく見かけますが、不正を暴くことは監査法人の本来の目的ではありません。

監査の水準に基づき、企業の決算書が適正に表示されているか否か、監査意見を表明することを目的としているのです。

そして、企業には自社の決算書を正しく作成して開示・報告する責任があります。正確な決算書に基づき、自社の状況を株主、債権者、投資家などへ正しく報告できてはじめて、支援を得られるからです。

となると、「わが社の決算書が正しいことを示していただかなければ」となりますよね。
そこで会計の専門家集団である監査法人が決算書に対して会計監査を実施し、監査意見を表明するのです。

まとめると、企業は監査法人に「わが社の決算書が正しいことを証明して下さい」と依頼し、監査法人は監査を引き受けるので、監査報酬は被監査会社が直接監査法人へ支払う流れとなるのですね。

不正を発見することが監査の直接の目的でないとはいえ、不正会計に基づいた決算書に「適正」とする監査意見を表明した場合には、監査法人はその責任を追及されます。

そのため、監査報酬を監査の対象である被監査会社から受け取っていたとしても、監査が甘くなったり、なれ合いで不正を容認したりすることはありません。

監査報酬はどのように決まる?

では監査報酬はどのように決まるのでしょう。
これは、「監査の工数」により決まります。工数とは、ざっくり言うと、監査に要する日数と監査を行う公認会計士の数のことです。

監査報酬=監査の工数=監査に要する日数×公認会計士の数

たとえば、監査に要する日数が年間で60日とします。そして公認会計士が2人で監査をすると、「60日×2人=120人/日」と見積もるわけです。

下記のように、項目を設けて見積もります。

 【コラム】監査法人の監査報酬は誰からもらっているのか? どのように決まるのか?

肝心の監査報酬は、公認会計士の年次や職位による単価で決まります。

この単価は、監査法人により異なります。
公認会計士試験合格者であると1日7~10万円、公認会計士で9~12万、パートナー公認会計士で12~15万円ぐらいが相場とされています。

この単価は、どの監査法人でも公にされることはないので、正確な数字は分かりませんが、通常は職位が高いほど報酬も高くなります。

監査に要する日数や、投入する公認会計士の数は、その監査ごとにさまざまです。影響する要因としては以下のような要素があります。
・監査の目的
・対象会社の総資産、純資産、資本金、売上高、利益などの決算情報
・支店や部署、従業員数
・子会社の有無、その数
・ビジネスモデル
・会計上の見積もり項目や減損のリスクの有無等、監査上のリスクの程度

クライアントからすると、監査報酬はどのように決まっているのか疑問もあると思いますが、監査法人側としては多くの要素を考慮して見積もっているのです。

監査法人もむやみに高い報酬を請求しているわけではありません。監査報酬を下げたい場合は、自社の決算をしっかりと組み、決算資料を事前に整理して監査法人の監査工数を減らす配慮をすることで、監査報酬の値下げに応じてくれる可能性があがります。

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(文/江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史、記事提供/株式会社エスタイル)

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