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【コラム】一体どうなる? 配偶者控除廃止に向けた議論の迷走、そして今後の見通しと対策について

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【コラム】一体どうなる? 配偶者控除廃止に向けた議論の迷走、そして今後の見通しと対策に

各社の新聞報道によると、政府・与党内において、先般より議論されてきた「配偶者控除の廃止」について、2017年度税制改正では見送る方針を固めたようです。一体、どのような事態が生じているのでしょうか。

基本的事項の整理と問題点の抽出

「配偶者控除」が導入されたのは、1961年のことです。当時、日本は高度経済成長期にあり夫は仕事、妻は専業主婦として家庭を支えるという生活スタイルが一般的でした。そのような専業主婦のいわゆる“内助の功”を税の面で評価しようとしたのが配偶者控除の始まりです。
ところが配偶者控除は、その恩恵を最大限に享受しようとする妻が多くなった結果、配偶者(実質的には、夫より収入の少ないことが多い妻を指す)の労働意欲を削ぎ、女性の社会進出を阻害することにつながっていると指摘されていました。
そこで、安倍晋三総理が提唱する一億総活躍社会の実現に向けて、配偶者控除を廃止する代わりに、共働き世帯が一定の控除を受けられる夫婦控除が議論されることとなったのです。

しかし、ここに至って配偶者控除の廃止を見送り、配偶者控除が適用される年収の制限を緩和するにとどめるという方向に転換がはかられています。
理由は、どうやら選挙対策にあるようです。配偶者控除は、専業主婦がいる世帯を念頭においた制度ですが、低所得層よりもむしろ高所得層に対して恩恵をもたらしています。
そのため、配偶者控除を廃止した場合、高所得層に対して不利に働く可能性が高いとみられています。与党の一翼を担う公明党では支持母体への影響を考慮し、昨今の政界で取り沙汰される早期の衆院解散・総選挙や来年夏の東京都議選に配慮した対応を求められているようです。
配偶者控除は、わが国において昔から続いてきた夫婦や家族のあり方に基づく制度です。そのあり方については、特に慎重で丁寧な議論が求められます。また、広範囲に影響を与えるため、時間をかけて幅広い立場にあるさまざまな人の意見を聞いていくことが望ましいでしょう。

今後の見通しと対策

2016年10月から、短時間労働者に対する社会保険の適用が拡大されました。
対象となるのは以下の通りです。
・従業員規模501人以上の企業
・所定労働時間が週20時間以上
・月額賃金が8.8万円以上
・1年以上の雇用見込みがある
・学生ではない

社会保険の適用が拡大されたことで、「106万円の壁」と呼ばれるものができました。大企業でパートとして働く妻は毎月8.8万円を下回るように働き、夫の扶養内に留まって社会保険には入らない人の方が多いようですが、配偶者控除にもこのように103万円の壁があります。
共働きなら夫婦控除の方にメリットがありそうですが、専業主婦やパートは配偶者控除の方がやはりメリットがあります。2017年度の税制改正において配偶者控除の制度が維持されたとしても、対象範囲の拡大は税の減収を招きます。また、今後の女性の社会進出の流れを鑑みれば、配偶者控除はいずれ廃止に向かうと思われます。

2016年10月6日付けの日本経済新聞によると、今後の焦点は103万円の壁の見直しに移りそうで、政府・与党は年収150万円以下に引き上げる案を軸に上積みを検討するとしています。
年収の壁を引き上げることで就労時間が長くなり、妻はより多く働けるようになりますが、長い時間働くためには、保育所に入れない待機児童の問題や、夫の育児休暇の取得率向上などの問題も解決していかなければなりません。
これからしばらくの間、「配偶者控除」と「夫婦控除」をめぐる議論から目が離せません。

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(記事提供/株式会社エスタイル)

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