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平成29年度税制改正でワインは増税へ!「ワインブーム」に沸く香港、酒税撤廃後の今【コラム】

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2017年3月27日掲載

平成29年度税制改正でワインは増税へ!「ワインブーム」に沸く香港、酒税撤廃後の今【コラム】

2016年12月、自民・公明両党は、平成29(2017)年度の税制改正大綱を正式に決定し、ビール系飲料の税率を、平成32(2020)年から段階的に一本化する方針を打ち出しました。現時点では、ビールが77円、発泡酒が47円、第3のビールが28円ですが、平成32(2020)年、平成35(2023)年、平成38(2026)年と3段階で「ビール」を減税、「発泡酒」と「第3のビール」を増税し、税率を最終的に54.25円に一本化します。

それ以外のお酒では、現在の税率が日本酒は42円、ワインやチューハイ、ハイボールなどは28円となっていますが、平成35年に、日本酒とワインを35円に一本化し、平成38年にチューハイ、ハイボールなども35円に統一していきます(いずれも350mlあたりの税率)。

酒類における税制改正は、税制の簡素化や、販売低迷が続くビールや日本酒をテコ入れするのが政府の狙いです。今回の税制改正でやむなく増税となるお酒の一つ、ワインにおいては、政府は小規模のワイン生産者に対し、税率を軽減する措置の拡充を検討するとしています。
一方の海外では、思い切って酒税を撤廃した国があります。今回は香港の酒類撤廃後のお酒、特にワインが同国にもたらした変化についてみてみたいと思います。

酒税・関税撤廃後に沸いた「ワインブーム」

香港貿易発展局によれば、2014年の香港の 1人あたりの年間ワイン消費量は約4.2Lで、アジア諸国では最高でした。2012年頃から低価格ワインの拡大により、第7次ワインブーム下の日本ですら同年の1人あたりの年間ワイン消費量が2.8Lですから、香港のワイン消費量がいかに多いかがわかります。
香港のワイン消費量は、2008年にアルコール度数30度以下の酒類への課税・関税を撤廃し、同時に酒類の貿易や製造、保存、運搬に関わるライセンスや許可制度を廃止したのをきっかけに爆発的に増加した背景があります。
撤廃前は、お酒は「ぜいたく品」で、税率が80%と飛び抜けて高かったのですが、撤廃を機にワインの輸出入が増え、国内消費も増えました。
輸出入や国内消費の増加だけでなく、酒税撤廃はクリスティーズやサザビーズなどによる国際的なワインオークションの開催を香港に呼び込むことになりました。酒税撤廃から2年後の2010年には、オークション出来高が1.6億USドル(2010年当時のレートで約176億円)となり、それまで1位だったニューヨークを抜き、世界一になりました。

「ワインブーム」の今

酒税の撤廃により、香港政府の税収が減ってしまったわけですが、政府はこの減収分をどのように補おうと考えたのでしょうか? 
2008〜2009年度の政府予算では、酒税撤廃による税収減を5億6,000万香港ドル(当時のレートで約84億円)と試算していました。酒税・関税撤廃後の2008〜2009年度には、850ものワイン関連の新規事業者が生まれ、その事業者数は前年度比約30%増の合計3,550にのぼり、事業者数増加による雇用が4万人創出されました。そして同年度におけるワイン関連の事業収入は55億香港ドル(当時のレートで約825億円)を記録。前年度より30%増加し、酒税・関税撤廃の効果は絶大となりました。

2016年11月、アジア最大級の酒類総合見本市である「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・フェア2016」が開催されました。9回目を迎えた2016年は、37カ国から1,067社が出展し、バイヤー数は 75カ国から約2万人、一般参加者も約2万7千人にものぼり、盛大なイベントとなりました。日本からも大手から小規模ワイン生産者まで60社以上の出展があり、同イベントのコンペティションで受賞した日本の生産者は、世界のワイン市場で国産ワインの存在をアピールできたようです。

香港は、日本よりもアジアの中心に位置し、発達した物流インフラ環境も相まって現在のワインブームが築かれたわけですが、お酒の好きな一消費者としては、美味しいお酒が安く手に入るのはうらやましい限りです。日本では今回の税制改正は限られた酒類の減税に留まりますが、香港のように、減税が経済の活性化につながるような政策を生み出してほしいものです。

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(記事提供/株式会社エスタイル)

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