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エコカーが変わる! エコカー減税の改正をどう受け止めるか【コラム】

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エコカーが変わる! エコカー減税の改正をどう受け止めるか【コラム】

各種報道によれば、政府・与党は、平成29年3月で終了予定であった「エコカー減税」を2年間延長し、平成30年度末まで実施するとの決定を行いました。なお、平成29年度及び平成30年度においては、対象となる車の基準を厳格化していくそうです。

エコカー減税に関する現状

自動車に関する税金として、自動車購入時に負担する「自動車取得税」、自動車保有により納税義務が毎年発生する「自動車税」、そして車検を通す際に生じる「自動車重量税」などがあります。
エコカー減税、グリーン化税制は、車の環境性能に応じて減税及び免税を行うというもので、エコカー減税おいては平成21年度から導入され、平成29年3月末をもって終了する予定でした。しかし、減税延長を求める自動車業界からの声や、減税の廃止が自動車販売の低迷を招き、景気へ悪影響を与えることに対する懸念も提起されていました。
一方、エコカー減税の継続は、自動車に関する税収の減少につながるというデメリットもあります。さらに、減税対象となる乗用車は新車の約9割を占めており、現在の減税基準では、乗用車の環境性能向上に向けたインセンティブが働かないという指摘もなされていたのです。

エコカー減税の延長と基準の厳格化について

今回の税制改正大綱における主な変更ポイントは、以下の2点です。
(1)平成29年3月末とされていた減税の終了期限が2年延長されたことにより、減税の終了期限が平成31年3月末とされました。
(2)平成29年度は減税対象車の台数を新車販売台数の約8割、平成30年度では約7割に抑制。具体的には、平成29年度には減税対象車を平成27年度燃費基準プラス10%以上達成車に、平成30年度にはより厳しい平成32年度燃費基準達成車のみとするそうです。その結果、これまで減税対象となっていた平成27年度燃費基準プラス5%達成車は、平成29年度以降は減税対象から外れることになります。

納税の面だけから言うなら、エコカーが有利であることは明らかです。しかし、エコカーへの買い替えが有利かどうかについては、別の視点からの検討も必要になりそうです。
減税の適用を受けるには、平成27年度燃焼基準プラス10%、または平成32年度燃費基準を満たす必要があるわけですが、この「燃費基準」が曲者です。
減税を受けるには、燃費だけではなく車の重量をも考慮した上で燃費基準を満たしているかを確認する必要があります。そのため、企業がエコカー減税を視野に社用車の購入を検討する場合には、企業にとって最も使い勝手の良い大きさを持った車種が燃費基準を満たすのか確認する必要があります。マイカー購入を検討している方についても、今後のライフスタイルを考慮した上で、慎重な検討が必要です。さらに、ガソリンの価格や年間走行距離といった観点からの検討も必要になります。

今後の展開と対応

では、今後はどのような対応を取っていくべきなのでしょうか。一部のマスコミなどでは、「エコカーが普及しつつあるにもかかわらず、基準厳格化により増税を図るのは邪道だ」という意見もあるようです。
しかし、基準厳格化により、環境性能の優れた自動車開発を促進し普及させることで、我が国の国際競争力の強化を図り、ひいては、地球温暖化問題の解決に向けて日本がリーダーシップをとるという戦略こそ、日本の国益にとって一番重要であるという見方もできるでしょう。
減税の適用対象が厳格化することで、自動車メーカーには一層の努力が求められます。昨今、フォルクスワーゲンや三菱自動車の不正が明るみに出たことは記憶に新しいところですが、今後も、企業にはさらなるモラル向上に努めてもらいたいところです。
税理士及び公認会計士としては、今回のエコカー減税に関する政府・与党の決定を前向きにとらえつつ、経費削減に向けて慎重に検討するよう、事業者や購買者には促していきたいところです。

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