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「おつり投資」で資産運用? フィンテックの小口投資サービスとは【コラム】

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「おつり投資」で資産運用? フィンテックの小口投資サービスとは【コラム】

コンピューターやネットワークの進化と普及で、現金以外の支払方法の選択肢も増えてきました。最近では「Apple Pay」など、スマートフォンをかざすだけで決済できるシステムの利用も増えています。そして、数年前から海外で始まった「おつり投資」が、いよいよ日本でもスタートします。「小口投資」や「マイクロインベスティング」とも呼ばれる、小額からできる投資、海外ではどのような動きがあり、また日本ではどのようサービスが提供されるのでしょうか。

海外の「おつり投資」

米国では2014年に楽天、PayPal社などがAcorn社に3,000万ドル(約34億円)投資し、小口投資アプリ「Acorns Grow」がスタートし、マイクロインベスティングの地位を確立しました。ターゲットは「投資したいけれど資金がない若者」や「定期的な収入のない学生」であるミレニアル層(2000年以降に成人、あるいは社会人になる世代)。最低5ドルあれば投資が可能という手軽さが人気で、ユーザー数は既に100万人を越えています。
使い方は、アプリをダウンロードし、ユーザーが使うデビットカード等を設定すれば、あとはカードで購入する度に金額をドル単位まで切り上げ、その「おつり」分が一定額まで貯まると、あらかじめ設定したリスク許容度に合わせてアプリロボットが投資商品を選択する、という流れです。月々の口座管理手数料も1ドル(口座残高が5,000ドル以上の際は残高の0.25%)、と格安です。
英国でも、昨年8月に「Moneybox」というサービスを立ち上げられました。英国在住の18歳以上の人ならアプリ(iOS、Android)が利用できます。仕組みはAcorns Growとよく似ていますが、異なるのはMoneyboxからISA(少額投資非課税制度)へ投資が可能な点です。

日本の「WealthNavi(ウェルスナビ)」、「トラノコ」

2016年10月、ウェルスナビ株式会社(東京都千代田区)は、2017年春より最先端のテクノロジーにより世界水準の資産運用サービス「WealthNavi」のサービスを提供すると発表しました。
「WealthNavi」は資産運用に自社で開発したロボアドバイザーを使い、目標設定からポートフォリオの構築、さらには節税まで、資産運用に関わる全プロセスを自動化しています。
また2016年12月、ばんせい投信投資顧問株式会社は商号をTORANOTEC投信投資顧問株式会社に変更し、資産運用のアプリ開発・運営を行うフィンテック企業として2017年春に新しい資産形成サービス・アプリ「トラノコ」をリリースすることを公表しました。
「トラノコ」の特徴は、「おつり投資」を資産運用子会社「TORANOTEC投信投資顧問株式会社」を通して、世界水準の運用チームにより高品質のアクティブ運用をしていく点です。同社はニッセイ・キャピタル株式会社、株式会社セブン銀行、株式会社リアルワールドから出資を受けており、近い将来、身近に投資ができるプラットフォームの誕生に期待が持たれています。

老後資金を公的年金のみに頼るのは将来へ相当な不安が残ります。金融庁が行ったアンケート調査によれば、NISA(少額投資非課税制度)への投資経験率は30代で16%、40代で19%と低いわが国の現状を考えると、これらの「おつり投資」を通じて、若年層・現役層に資産運用をより身近に感じてもらうことで投資マインドを定着させ、さらなる投資への好循環を生み出せることを期待したいものです。

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