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数字のプロこそ気をつけたい、感情と金額の不思議な関係「プロスペクト理論」【コラム】

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2017年8月18日掲載

数字のプロこそ気をつけたい、感情と金額の不思議な関係「プロスペクト理論」【コラム】

同じ金額でもダメージ2倍! 人間のココロに潜む落とし穴

税理士や公認会計士にとって、勤務中に目にする「+200ドル」は「200ドル増えた」ですし、「-200ドル」は「200ドル減った」でしかありません。日常的に多くの数字を扱う税理士や公認会計士は、合理的な判断を下しながら作業を進めなければならないため、数字を冷静な目で見ることのほうが多いのではないでしょうか。
ところが、お金を専門に扱わない人にとっては、「-200ドル」を「400ドル減った」と感じているかもしれないことをご存じでしょうか。
今回は、心理学と経済学をミックスさせた「行動経済学」から、その謎を解き明かそうと思います。

人間は損することが大嫌い!

今から2つの質問を提示します。あなたなら、AとBのどちらを選びますか?

<質問1>どちらのゲームをしますか?
選択肢A:100万円が無条件で手に入るゲーム
選択肢B:50%の確率で200万円が手に入るが、残り50%は0円のゲーム

<質問2>200万円の負債を抱えていたとき、どちらのゲームをしますか?
選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円になるゲーム
選択肢B:50%の確率で全額免除されるが、残り50%の確率で全く免除されず200万円がそのまま残るゲーム

多くの人が<質問1>では選択肢Aを選び、<質問2>では選択肢Bを選びます。しかし、この質問を仕事中の税理士や公認会計士に聞けば、「どちらも100万円の価値じゃないですか?」と言われることでしょう。本来であれば、そのことに気づき合理的な判断をするべきなのですが、多くの人は感情を優先してしまう傾向があるため、質問の提示方法など条件を変えると行動が変わってしまうのです。

こうした、損することを嫌がる性質のことを行動経済学では「損失回避性」と呼びます。

なお、この損失回避性の元となった実験では、冒頭の例の場合、+200ドルのときの嬉しさを数値化すると「25」なのに対し、-200ドルのときの悲しさを数値化すると「50超」という結果が出ています。同じ金額であるにも関わらず、損をしたときには2倍以上のダメージを感じてしまうのです。

人間は金額が大きくなるほど鈍感になる

他にも、同じ金額なのに行動が変わるケースを紹介しましょう。

最寄りの家電量販店Aでは10,000円で売られている商品が、15分ほど離れた家電量販店Bで6,000円で売られていた場合、多くの人が家電量販店Bまで足を運びます。
しかし、最寄りの不動産屋Cで19,800万円で売られている不動産が、15分ほど離れた不動産屋Dで19,796万円で売られていても、不動産屋Dまで足を運ぶ人は少なくなります。

どちらの場合も15分ほど離れた店のほうが4,000円安くなっているにも関わらず、販売金額が大きくなる不動産屋のほうでは感覚が麻痺してしまい、「たかが数千円」と感じてしまうのです。

このように金額が大きくなるほど感覚が麻痺することを行動経済学では「感応度逓減性」と呼びます。先ほどの損失回避性とあわせて「プロスペクト理論」と呼び、行動経済学における代表的な理論の1つになっています。

プロスペクト理論で報・連・相をアレンジする

たとえば、今期の業績を90%の確率で下げないためにプロジェクトを早めに進めたほうがよい場合の、報・連・相のアレンジ方法を考えてみましょう。

「今すぐプロジェクトを開始すれば今期の業績は90%の確率で下がりませんよ」と言えば、聞き手に安心感を与えることができます。
逆に「今すぐプロジェクトを開始しないと今期の業績が10%の確率で下がりますよ」と言えば、聞き手は「損したくない!」という気持ちになり、プロジェクトを進めてくれる可能性が高くなります。
ひとまず安心感を与えたいのか、煽ってでもプロジェクトを進めるべきなのかで、言い方を使い分けることができます。

日頃、合理的に判断し、その企業にとってベストな提案などをすることはとても大事なことですが、取引先や上司などに報・連・相をするときには、相手がどんな気持ちになるのかを考慮しておくことで、スムーズに仕事がまわったり、より良い関係が築けたりできるようになるのではないでしょうか。

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(記事提供/株式会社エスタイル)

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