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存在感を増す仮想通貨、施行された改正賃金決済法の内容は?【コラム】

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存在感を増す仮想通貨、施行された改正賃金決済法の内容は?【コラム】

皆様は、「仮想通貨」という支払手段について、詳しく理解していますか?
ここ数年で頻繁に聞かれるようになった言葉ですので、馴染みがない方も多くいるのではないかと思います。

しかし、すでに仮想通貨は幅広く利用されており、ICOと呼ばれる方法で資金調達を行う企業や個人の数が増えています。

また、2017年7月に施行された改正資金決済法では、仮想通貨を購入する消費税が非課税になり、ますます使いやすくなったことが大きな話題となりました。

仮想通貨の必要性は今後も高くなり、会計士・税理士の方は、税務としての対応が求められる機会が増えていくと思われます。
この改正資金決済法は、仮想通貨の現在を知るための重要なキーワードです。この改正の内容を通して、仮想通貨の現状を把握していきましょう。

広がりをみせるICO。仮想通貨の基本とは?

仮想通貨とは、端的にいうと仮想通貨取引所(販売所)で購入し、パソコンやスマートフォンなどで利用できる支払方法の1つです。

仮想通貨にはさまざまな種類があり、特定のウェブサイトにだけ使えるものや、ビットコインのように数多くのウェブサイトで物やサービスが売買できるものが存在しています。日本ではまだ利用できる実店舗は少ないものの、家電量販店のビッグカメラが都内2店舗でビットコインの決済を開始するなど、導入の動きが少しずつ広がりつつあります。

また、現在ではICO(イニシャル・コイン・オファーリング)という資金調達方法も広がっています。ICOの内容はIPOに近く、IPO株の代わりに企業やプロジェクトがコインやトークンといった仮想通貨を発行することで、資金調達を行う仕組みになっています。アメリカではすでにICOが盛んに行われており、ビットコイン建てやイーサリアム建てといったさまざまな形で、多くのプロジェクトが支援できるようになっています。

改正賃金決済法の施行で仮想通貨の利便性が向上

従来では、仮想通貨を購入する際には消費税が課せられていました。しかし仮想通貨で商品を購入する際にも消費税が課せられてしまうため、二重に税金を支払わなければいけませんでした。

しかし、平成29年度の改正賃金決済法では仮想通貨を購入する時の扱いが非課税になり、二重課税の状態が解消されました。

こうした改正が行われた背景には、仮想通貨の扱いを諸外国に合わせることも大きな理由となっています。それまでは日本以外の主要7カ国をはじめ、多くの国が仮想通貨の購入に消費税を課していないにも関わらず、日本の対応が諸外国とそろっていないことが問題視されていました。

購入時の消費税が非課税になったことで、利用者は消費税のコストを気にせず仮想通貨が購入できるようになりました。仮想通貨の取引所を運営する事業者にとっても、消費税を税務署に申告する手間が減るので、負担が軽減されるというメリットがあります。

こうして仮想通貨の利便性が増加する一方、ビットコインの取引量が増加したことで現状のプログラムでは対応できなくなり、プラグラム変更の必要に迫られるという問題も生じました。ビットコインを利用する人にとっては注目しなければいけない問題ではありますが、こうした課題をクリアすることで、仮想通貨はより一般的な支払手段に近づいていくものと考えられます。

平成29年度の改正賃金法による二重課税の解消は、仮想通貨が支払いの手段の1つとして正式に位置づけられたことをあらわしています。

現状ではまだ一部の取引だけで使用されている仮想通貨ですが、利便性がさらに向上すれば、ネットを頻繁に使う人に限らず、多くの人が利用する可能性があります。それは同時に、税務としての重要性が高まることも意味しています。

新しい支払い方式やそれに関する税制は、慣れるまでが大変です。しかし早いうちから対応できるようになれば、活動の幅を広げられる可能性があります。

仮想通貨もその1つです。この話題をきっかけに理解を深めて、これからの税務に備えてはいかがでしょうか?

≪参考≫
株式会社bitFlyer -ビットコイン(Bitcoin)とは?

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