業界動向

会計事務所

転職氷河期と言われている今日、会計事務所業界においても一時期(リーマンショック前)と比較致しますと、求人数は減少傾向にあり、厳選した採用を行う傾向が現れています。但し、一般企業の状況と比べますと、それほど厳しい状況ではなく、一定の採用ニーズは常時発生しているのが現状です。

会計事務所の規模別に見てみると、Big4と称される大手国際会計事務所の採用状況並びに選考基準につきましては、リーマンショック以降は採用ニーズが大幅に低下しており、選考はかなり厳しくなっています。基本的には一定レベルの英語力(TOEIC700点前後以上)が必要であり、税理士試験3~5科目合格の若手人材(20代半ば程度まで)を厳選し、夏・冬の定期採用時にのみ採用している状況です。中途採用に関しましては、新卒採用と比較しても極めて消極的であり、移転価格や国際税務などの特殊分野に秀でた経験を持つようなハイレベル人材のみが選考対象となるような厳しい状況です。一方で、中堅・中小の会計事務所の採用状況並びに選考基準に関しましては、好景気時よりも選考基準が多少厳しくなってはいるものの、求人案件は常時発生しており、基本的には例年と大きく変わらない状況です。

サービスライン別のトレンドとしては、一般的な税務顧問業務を行っている会計事務所では、不況の影響はそれほど大きく出ておらず、一定数の中途採用ニーズが引き続き見受けられます。税務コンサルティングの分野では、不況の影響を受けにくい資産税(事業承継・相続)の分野において資産税実務の経験者を中心とした採用ニーズが高い状況が続いております。一方、それ以外のコンサルティング業務(株式公開、組織再編等)を行っている会計事務所は、不況の影響で採用ニーズに多少の落ち着きが見られます。また、金融・証券化関連税務の分野は、引き続き採用ニーズは少なく、ごくわずかの会計事務所のみに限られています。

また、年齢面では、30歳前後までの若手人材に関しましては、税理士科目2~3科目以上を取得されており、2~3年程度の実務経験をお持ちの方であれば比較的転職をし易い状況であり、特に法人税法の取得者に対する評価は高い状況です。30歳~40歳程度の年齢の場合、3科目程度以上の税理士科目を取得されており、5年程度の実務経験をお持ちであれば転職は可能な状況でありますが、組織再編や資産税といった専門性が高い分野に関しましては、税理士資格や、それにプラスしてマネジメント経験や営業経験が求められる傾向にあります。

会計事務所業界では、景気動向問わず「資格と実務経験のバランス」が重視されますので、資格の取得と実務経験のいずれかに偏らないようなキャリア形成が重要です。

(2011年9月現在)

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