業界動向

監査法人・コンサルティングファーム

監査法人

リーマンショック以後、景気の低迷が続く日本経済において監査法人も厳しい経営状態に陥っています。
一体、今後の会計業界、とりわけ監査法人の動向はどのように変化していくのでしょうか。
昨年までの監査業界でのメイントピックは国際会計基準(IFRS)の適用に向けて、IFRS適用におけるインパクト分析やGAAP調整などIFRSに関連するサービスが多く見受けられましたが、2015年を目途としたIFRSの強制適用を延期するという方針が示され衝撃が走りました。またリーマンショック以降、新規株式公開やM&Aの減少、MBOによる上場廃止を理由とした上場企業の減少などの影響で、大手の監査法人の監査部門は収益力が低下し、非監査部門での収益性確保が重要になってきています。その反面、公認会計士試験合格者の増加により公認会計士人口は増加しているため、一部の大手監査法人では過剰人員に対してやむを得ずリストラを行うなど、監査法人にとっては厳しい経営環境となっています。そのため、多くの監査法人は、今後の生き残りを賭けて更なる営業努力をしなければならない状況となっています。

上記のような背景もあり、転職市場において監査法人の採用はかなり消極的な傾向にあります。
監査部門においては、特に国内監査部門などでは社内でも公認会計士余りの状況にあることから積極的に採用を行ってはおらず、IFRSや国際業務、金融など専門性が必要とされる部門に限って、厳選採用を行っています。具体的には、IFRSや国際業務要員では、若手スタッフ~シニア職を中心にIFRSやUSGAAPに精通している人材や、高い英語力を有している人材への採用ニーズが高い傾向にあります。また、金融関連のニーズとしては、金融部での金融監査経験者やアクチュアリー保有者、金融機関向けITアドバイザリー経験者等に関しては、一定の採用ニーズが見受けられ、この傾向は当面は続いて行くものと考えられます。いずれにしても、リーマンショック以降の景気の落ち込みや会計士試験合格者の増加に伴い、まだまだ会計士業界全体では人余りの傾向は否めません。監査法人の規模に関係なく当面は監査法人業界での採用ニーズは低い状態が続くことが予測されますし、日本の公認会計士以外の資格であるUSCPAやCIAなどの資格者は、よほどの経験がない限り監査法人では採用ニーズが出にくい状況が続くと見られています。今後、監査法人への入所を希望される方においては、常に自分自身のスキルを高めながら転職マーケットの情報を収集するように心がける必要があるでしょう。

(2011年9月現在)

コンサルティングファーム

2015年の強制適用にむけて、本来であればコンサルティングファームのマーケット動向はIFRS関連業務がトレンドになるはずでしたが、金融庁により導入延期の見通しが伝えられたため、IFRS関連の採用ニーズはやや控えめではあります。一方、長引く不況の影響から企業再生・事業再生関連の採用はやや堅調であり、グローバル化の影響からクロスボーダーM&Aのマーケットでも人材ニーズは高まっています。

求人の動向を見てみると、全体として求人件数は一定数あるものの、コンサルティング分野では特に厳選採用の傾向が高くなってきております。

分野別では、企業再生分野は不況の影響から案件の受注は比較的好調で、一定の人材ニーズが見られる状況です。選考で評価される経験としては、財務デューデリジェンスや企業再生コンサルティングの経験者が最も優遇されますが、30歳程度までの若手公認会計士や税理士においては業界未経験でもポテンシャルを評価してもらえるケースもあります。ただし、30代半ばを過ぎると実務経験が必要とされ、コンサルティング未経験者の採用は難しい状況となっております。

M&A業界は全体的にはやや低調ですが、海外企業をターゲットとしたクロスボーダー案件のニーズが増加しているため、語学力の高い人材や国際業務経験のある会計・財務・金融関連人材へのニーズが非常に高い状況です。

IFRS関連は、強制適用の延期の見通しが高いことから、人材ニーズはやや低調ではあるものの、一部の会計系アドバイザリーファームやIT・業務系コンサルティングファームなどを中心に、一定のニーズはある状況です。この分野で評価される人材としてはTOEIC800点程度以上の英語力を有する若手の公認会計士や金融分野など特定分野への専門性が高い公認会計士やコンサルティング経験者など何かしらの強みや特徴がある人材が比較的優位に選考に進んでいる状況です。

以上のように、コンサルティングファーム業界は、市況の影響はあるものの一定の採用ニーズはあり転職マーケットでの動きは見られる状況です。どの様な環境下においても転職を有利に進めるためには未経験者・経験者問わず、独自の強みを身に付け、評価される経験・スキルを身につけるようキャリアアップをしていく必要があります。コンサルティングファームへの転職を志す方々にとっては、該当業務の経験値はもちろんのこと、特にコミュニケーション力が大変重要なスキルになりますので、常日頃からその辺りを意識し自分自身の市場価値を上げていって頂ければ良いでしょう。

(2011年9月現在)

>> 監査法人・コンサルティングファームの業務とは?

会計事務所業界動向 監査法人・コンサルティングファーム業界動向 企業会計業界動向