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【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(4) なぜ転職先に中小事務所を選んだのか

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【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(4) なぜ転職先に中小事務所を選んだのか

前回は、ベンチャー企業に飛び込んだものの、再び転職する決意をしたところまで話しました。今回は、転職について自分が考えていたことを紹介したいと思います。

初めての転職、3つの決意

大手監査法人を辞める時は友人に誘われたのがきっかけだったため、目立った転職活動をすることはありませんでした。そのため、ベンチャー企業を辞めて次の会社を探すこの時が、初めての転職活動です。

当時は転職につながる人脈などまったくなく、いくつかの人材エージェントに相談をしにいったことを覚えています。

監査法人、ベンチャー企業ともに、キャリアは短いものでしたが、ここでも資格の力が活きたのだと思います。なぜかというと、多くの会計事務所やコンサルティング会社、事業会社の紹介をいただき、内定も多数得られたからです。

転職活動をする中で私が考えていたのは、(1)自分が貢献できる小規模の会社にいく、(2)給与が低い会社も選択肢に入れる、(3)将来独立するにせよ、再度転職するにせよ、多くの経験ができる会社にいく、ということの3つでした。

(1)については、大企業の方が給料の面で安定しており、安心感があります。知名度の面でも、大企業の名刺と中小企業の名刺では、あらゆる場面で発揮される威力がまったく異なります。

しかし、上記でも述べたように、自分が貢献でき、かつ仕事の経験値を早くあげるためには、小さい会社で、会社全体を見て動く経験が必要だと考えました。

(2)の給与については、皆さんもよく考えることかと思います。私の場合は、給与についてはほとんど重視せず、その職場で自分は本当に何をできるのか、ということを考えるようにしていました。

なぜかというと、給与に縛られてしまうと、それが足かせとなり、自分にとって必要な経験ができるであろう会社を選択し損ねてしまう恐れがあるからです。

多くの人は転職する際に「最低でもこのくらいの給与は欲しい」ということを先に考えるのではないかと思います。

給与が大事なことも分かりますが、あまり関心を持てない業務をおこなう会社に、給与が高いからという理由で入社を決め、結局すぐ辞めてしまうようでは本当に意味がありません。

若いころの年収数十万円の差は、成長すればすぐ取り返せるものです。

なので、キャリアの相談を受ける際にも、「目先の給与で考えるより、自分の人生全体を見てキャリアを考えよう。やりたいことは何なのか、目指すものは何なのかを考えよう」と話すようにしています。

(3)については、当時の自分は、将来何をやりたいのかはっきりしていませんでした。そのため、できるだけ広い経験が積める職場を希望したのです。

名もない中小会計コンサルティング会社へ

結果として選択したのは、小さな会計コンサルティング会社でした。そこは監査法人と税理士法人を併設しており、コンサルティング業務と同時に監査も税務も経験できる職場だったからです。

各業務の割合としては、監査40%、コンサルティング40%、税務20%になると言われていました。税務関係の経験を積みたかった私にとって、最高の職場と言えます。

正社員が4名しかいない小規模な会社で、給与も他の内定先と比べると低かったのですが、それすら気にならないほどでした。

内定辞退の連絡をした別の会社から「提示した給与よりも高くするのでもう一度考え直してほしい」という言葉をいただいたときには、「一緒に働いたこともないのになぜそんなに高い給与を提示できるのだろうか」と、気味悪く感じたことを覚えています。

結果として、この後私は独立することになるのですが、当時はここが自分の望む場所だと思ったうえでの決断だったのです。

次回は、独立に至るまでの経緯について紹介いたします。

次回のコラム
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(5) 独立開業はいつ、どうやって?

過去のコラム一覧
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(3) 大手監査法人からの転職キャリアは?
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(1) なぜ公認会計士を目指したのか?
【コラム】公認会計士江黒のキャリア独白(2) 公認会計士試験合格後のキャリア選択は?

 

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(文/江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史、記事提供/株式会社エスタイル)

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