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【シリーズ 資格プラス@】第7回 読書術を進化させてスキルアップを

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「読書の秋」終盤、冬の足音が聞こえてくる頃にやっと登場した。

米アマゾン社の電子書籍端末「キンドル」が11月19日、日本国内で売りに出された。アマゾンがサイト上で「近日発売」を告知したのが6月下旬。ところが具体的な販売の見通しが立たず、一時は、どこぞの国の首相が約束した「近いうち解散」とどちらが早いのか見物だったが、告知から5カ月近くを経てようやく出荷された。アマゾンのサイト経由での申し込み分は年内完売という。会計士や税理士の志望者で早速、入手した方も少なくないだろう。

書籍をダウンロード販売するキンドルストアには「天地明察」などといったベストセラー小説だけでなく、ドラッカーの名著「マネジメント」、IT業界の新しい潮流を取り上げた「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」などのビジネス書も並ぶ。会計・税務関連では、「IFRSの会計~『国際会計基準』の潮流を読む~」、「磯野家の相続税」などのタイトルが見受けられる。日本で今回売り出された「キンドル・ペーパーホワイト」を、筆者は執筆時点で手にしていないが、過去の機種と同等、自分が重要と思う箇所に線を引く機能もあるはずだ。すでに楽天のKoboやアップル社のiPadを使っている人も含め、紙の本と同じく自己啓発の読書に端末を駆使できる時代になった。多数の書籍を手軽に”持ち歩ける”利点もある。

しかし紙であろうが電子であろうが、読書で肝心なのは中身の情報だ。元公認会計士の経済評論家・勝間和代氏はかつて「本は万能薬ではありません。普段から問題意識を持っているからこそ、本の中にあるヒントが吸収できるのです」と指摘している(2009年9月21日、日経BPネット・ウーマンオンライン)。漫然と読み流すだけでは折角の時間も勿体ない。きちんとインプットし、それをどうアウトプットするか注意を払わなければならない。

実際に「読書術」を身に着けるのはどうすればいいのか。勝間氏を始め、有名なオピニオンは自分の「読書術」を著作やブログなどで紹介しており、彼らの考え方やテクニックで自分に合うものを取り入れるのは有効だろう。元外務省主任分析官で、作家の佐藤優氏は月300冊、多い時で500冊以上も読みこなすという。佐藤氏の著作「読書の技法」(東洋経済新報社)では、<知りたい分野の本は3冊買って、まずは真ん中から読む><「『超速読』で、読むべき本の仕分けと、本全体の中で当たりをつける>―といった独特の手法が紹介されている。また、「東大家庭教師が教える頭が良くなる読書法」(中経出版)を書いた吉永賢一氏は、目次と前書きを熟読して本の全体像をつかんでから読んでいくことや、自分が本を読んで実行する項目(To Do)のメモ書きなどを勧めている(参照:日経プラスワン2011年11月5日付、日本経済新聞電子版)。

かつて福沢諭吉は「読書は学問の術なり、学問は事をなすの術なり」と説いた(『学問のすすめ』)。税理士、会計士という仕事は、本業に関する制度の変更、あるいはクライアントの業界事情にまつわること等を常にアップデートする必要がある。資格志望者の方々も普段から実りある読書を心掛けたいものだ。

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